見たもん勝ち ～建設業応援団～
〈日々の栞〉 ひとごとをやめましょう
2023/05/29コラム
日々の栞
▼ワールド・ベースボール・クラシック（WBC）のアメリカとの決勝戦を前に大谷翔平選手がロッカールームで円陣を組んだ際、選手に述べた言葉「憧れるのをやめましょう」。一度は聞いたことのある名選手との対戦を前に「憧れていたら超えられない。今日一日だけは憧れを捨て、勝つことだけを考えてほしい」との思いを選手たちに伝え、鼓舞した
▼現在、建設業界では新たな3K、いわゆる「新3K（給与・休暇・希望）」の実現に向けて取り組んでいる。中長期的な担い手確保のためには必ず成し遂げなければならないものだろう
▼主な取り組み内容にはCCUSや週休2日工事、ICTの推進などが挙げられるが、果たしてどれくらいの本気度で取り組んでいるのだろうか。取材の中で取り組みについて尋ねると、返答の多くが「国や県の動向を見ながら」「他市町村と足並みをそろえながら」というものだ。確かにそれぞれの「事情」があるのは分かるが、たびたび耳にする「官民一体となって業界の発展を」という言葉とは一体何なのかと疑問に思ってしまう
▼WBCの話に戻ろう。大谷選手の言葉を胸に刻んだ選手たちは結果、優勝という結果を残した。憧れを捨て、自分に誇りを持ち、戦い抜いた結果だと思う。影響力を持つ選手の言葉、試合での立ち振る舞いは非常に大きかったのだろう
▼建設業の未来を考えるのであれば、「ひとごと」という考えをやめ、誰かが大きなアクションを起こす必要がある。大谷選手の言葉を借りて鼓舞するのであれば「ひとごとをやめましょう。建設業の未来だけを考えていきましょう」だろうか。（群馬・KO）
