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【生産性向上】 ICTは全都道府県政令市が実施／BIM／CIMは低調
2023/06/12建設時事
建設メール
国土交通省は生産性の向上に向けた取り組みとして、都道府県47団体、政令指定都市20団体を対象にICT活用工事とBIM／CIM活用工事の取り組み状況を調査した。ICTは全団体が実施しているが、BIM／CIMは9団体の実施と低調。だが40団体が検討中としているため、導入への動きがありそう。なお、共通する課題として人材などの体制不足、費用対効果の懸念がある。
ICT活用工事で導入事例が多い工種は▽土工=39団体▽舗装工=36団体▽法面工=29団体▽浚渫工=23団体―。課題には▽技術者不足、人材育成=24団体▽コスト増=20団体（受注者:建機等導入、発注者:工事費）▽適用工事が少ない・不向き=20団体（小規模、市街地、通信環境が悪い）▽中小企業への普及、企業間格差の拡大=16団体▽見積採用や経費補正率の妥当性=6団体をあげている。
発注者の費用負担について全額負担は64団体、一部負担2団体、負担していないが1団体だった。費用負担項目は▽3次元起工測量=56団体▽3次元設計データ作成=60団体▽ICT建機施工=59団体（保守点検、システム初期費を含む）▽3次元出来形管理=47団体▽3次元データ納品=46団体―という結果だった。なお、50団体が国の基準や施工パッケージにより積算して費用計上している。
直轄事業では、土工（砂防土工・河床等掘削含む）、土工（床掘）、土工1000立方m未満、小規模土工、法面工、付帯構造物設置工、擁壁工、地盤改良工、基礎工、河川浚渫、舗装工、舗装工（修繕工）、構造物工（橋梁上部）、構造物工（橋脚・橋台）で実施要領を制定している。
BIM／CIM活用工事は実施、検討中のほか18団体が未検討と回答した。なお、導入にあたっての課題は▽発注者側の体制不足=14団体▽受注者側の体制不足=9団体▽高スペックPC等の機材不足=11団体▽予算の確保、費用対効果への懸念=6団体―などが主な意見。ほか、データ管理や利活用方法、関係者間の使用ソフトの互換性、活用するような大規模工事が少ない（ない）といった声がある。
直轄土木事業は2023年度から活用を原則的に実施。実施内容と費用については、受発注者間で事前協議。計上対象の費用は受注者から見積りを徴収して契約変更を行う形になっている。
