見たもん勝ち ～建設業応援団～
〈日々の栞〉 労働災害防止に向けて
2023/10/11コラム
日々の栞
▼建設業労働災害防止協会群馬県支部のある分会が開催する労働災害防止大会を取材した。当日は主任技術者によるヒヤリハット発表で重大事故につながる恐れのあった事例発表が行われ、労働災害防止への意識を常に持って仕事に取り組んでいかなければならないのだと改めて感じた
▼主任技術者は日中、現場での仕事に従事し、夜は書類作成などを行っているため忙しいとの話を聞いた。仕事をする上で、心に余裕を持つことは必要なことだと思う。心に余裕がなければ、視野が狭くなり判断ミスが起こりやすくなるからだ
▼厚生労働省第14次労働災害防止計画では、2027年度までに建設業および林業において、それぞれ死亡災害を22年比で15％以上減少させることなどを目標に掲げている。なお同省群馬労働局が発表した群馬県内の建設業における23年8月末現在の死傷者数は145件で、うち死亡者数は6件となっている
▼前職の先輩から新人作業員が伐倒した木が近くにいた同僚を直撃し亡くなるという事故が発生したことを聞いた。新人作業員が伐倒前に周囲を確認していれば防げた事故だったのではないかと思う。事故を起こした新人作業員は心を病み退職し、遺族は会社に対して強い怒りを抱いていたという
▼死亡災害が発生すると遺族だけでなく、加害者自身も一生忘れることのできない深い傷を心に負ってしまう。死亡災害を起こしてしまった人のあがないの声や遺族の悲しみの声を聴取し、映像や冊子などにまとめ、労働災害の悲惨さを広く広報宣伝していくことも労働災害防止の一つの手段となり得るのではないだろうか。（群馬・KS）
