見たもん勝ち ～建設業応援団～
【設備投資マインド】 意欲旺盛も時期後ろ倒し
2023/11/20業界動向
建設メール
建設物価調査会は、9月1日時点の「設備投資マインド調査」の実施結果をまとめた。4331社にアンケートし1003社から回答があった。設備投資への意欲は旺盛さを維持し、特に機械設備投資はほとんどの業種で積極姿勢。だが、諸外国の経済情勢、原材料・エネルギー関連コストの上昇、部材・商材の調達難など投資額や時期の見直しをせざるを得ない大きな要因となっている。全体的には外的要因によって投資マインドは軟調な推移となる見通しだが、各社の財務状況には明るい兆しもあり、各社の動向に注目する必要がある。
建設投資意欲に関しては、先行き3カ月、先行き6カ月ともに、前向きな回答が後ろ向きな回答を上回り、旺盛さを維持していく傾向となった。特に非製造業がけん引しているかっこう。機械設備投資では、製造業、非製造業とも積極的な企業の割合が多い結果となった。
建設投資額判断は、全産業的に減額意向を示す企業の割合が多い傾向になっている。先行き6カ月まで通してプラスとなっているのは運輸業、サービス業で、製造業は基本的に減額傾向が強い。
建設投資の時期については、後ろ倒しとの回答が前倒しと答えた割合を上回っている傾向は続いており、拡大傾向にある。特に製造業の基礎素材型、加工組立型産業や非製造業の電気・ガス業、情報通信など後ろ倒しにすると回答した企業の割合が総じて高かった。機械設備投資時期も同様の傾向にあり、特に製造業の基礎素材型、加工組立型、生活関連型・その他、非製造業の電気・ガス業、金融・保険業などで時期を後ろ倒しにする傾向が強い。
投資意欲はあるが、時期は後ろ倒しの傾向が強まっている。では、どのタイミングで投資に踏み切るのか。その要素がいくつかある。1つは、新紙幣発行のタイミング。店舗など紙幣を扱う場合は対応の必要があり、合わせてキャッシュレス化加速の可能性も。それら設備入れ替えなどの需要。2つ目は、企業が社会的に対応していかなければならないSDGsやカーボンニュートラルなど。企業の姿勢をアピールする要素がある。3つ目は小売りであればセルフレジの導入など人材不足へ省人化による対応で、人件費抑制の側面もある。機械設備の部分が大きいが、どのタイミングで投資するか各社の判断が注目される。
