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【全建・近藤相談役に聞く】 建設業の変化と展望／地域建設業の活動に勲章
2023/11/27インタビュー
建設メール
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業界の変化を語る近藤氏
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全国建設業協会（全建）の元会長で、現在は相談役を務める近藤晴貞氏が13日に旭日重光章を叙勲された。自身の叙勲は、地域建設業全体の活動を評価したものと喜び。業界の展望には、ICT施工など地域建設業の経営・労働の両面で環境整備が重要だと語った。
近藤氏は今回の叙勲に対し「地域建設業全体の活動に対する勲章だと考えている。全建会長に就任したのは、東日本大震災の復興を通じて、世間が地域建設業の社会的役割に理解を示し始めた時期だった」と振り返った。
全建会長時代の活動で特に思い出深いのは「全国でブロック会議とともに開かれる地域懇談会が特に印象に残っている。非公開で行われる懇談会で、地域建設業者の会員、国土交通省など発注者側も忌憚なく意見を交換した。発注時期平準化は、地域懇談会が一つの契機となり、改革が始まった」と語った。
建設業界の最近の変化を問われると「良い変化として、業界を改善する意識が各方面で強くなっている。職域代表の国会議員たちだけでなく、国交省も課題解決への意欲がとても強い。業界改善を目指し政官民の団結が高まっている。そこを一番心強く感じている」と評価した。
現状の課題については担い手確保を挙げ「今の労働環境では若い世代に定着してもらうのは困難。現場見学などの取り組みも重要だが、若い世代にもアピールしやすいICT施工など建設DXの推進が必要だと思う。コストを抑え、地域建設業者が建機などを導入しやすくしていかねばならない」と近代化への展開を促した。
時間外労働上限規制への施策については「技能労働者の時間外労働は多くない。週休2日の導入が賃金の減少につながらないようにすることが課題。一方で現場技術者は、時間外労働の削減が課題で、必要性が低い業務を削減しなければならない。技能労働者と技術者は状況が異なり、分けて考える必要がある。人手不足の中で経営者には難しい課題となるだろう」と指摘した。
最後に現場を担う若手に向けて「地域をより良くしようという気概をもってもらいたい。それが建設業のみならず、業界の垣根を越えて輪になり、大きく広がって欲しい。地方創生には、高齢者にはできない、若者たちによる息の長い取り組みが必要となる」とエールを送った。
【略歴】こんどう・はるさだ
1978年東京工業大学大学院総合理工学研究科社会開発工学専攻修了、西松建設入社。2009年同社代表取締役社長・執行役員社長、14年全国建設業協会会長、18年西松建設取締役会長、20年西松建設特別顧問、全国建設業協会相談役、21年西松建設特別顧問退任、23年旭日重光章を受勲。1952年10月26日生まれ、愛知県出身
