見たもん勝ち ～建設業応援団～
【盆暮れ通達】 2024年問題など中心／建設業関係116団体へ求める
2023/12/06建設時事
建設メール
国土交通省は1日付で、116の建設業関係団体に対して下請契約や下請代金支払の適正化、施工管理の徹底などを求める通知を出した。一般的に盆暮れ通達と称され、例年、資金需要の増大が予想される夏と冬に要請しており、全国の自治体にも参考送付した。ポイントは2点。週休2日など残り4カ月を切った2024年問題への対応と10月にスタートしたインボイス制度への対応となる。
2024年問題、いわゆる働き方改革に向けた一番の内容を盛り込んでいる。週休2日の確保や長時間労働の是正などは急務と位置付け、発注者・元請け・下請けの契約当事者いずれもが時間外労働の上限規制を順守できることを前提に、工期の設定に努めることが重要とした。適正な工期での請負契約の締結、前工程での工程遅延を後工程にしわ寄せがいかないよう工期の適切な延長を行う。
また、竣工日優先で工程短縮の場合は協議・合意の上で突貫工事に必要な掛け増し費用など、適切な変更契約を結ぶことを求めている。さらに、月給制により賃金を毎月安定的に支払うなど週休2日確保へのインセンティブが働く方策の導入も求めている。
インボイスに関しては、元請け人と免税事業者の下請人との取り引きで元請け人が地位を不当に利用して一方的に消費税相当額の一部、全部を支払わない行為は、建設業法、独禁法に違反する行為として問題になることを改めて示した。ほかに関係省庁によるQ＆Aや通達などを周知して公正な取り引きをするように求めた。
原材料費等の取り引き価格を反映した適正な請負代金額の設定、納期の実態を踏まえた適正な工期の確保や、価格交渉などでの優越的地位の濫用など引き続き留意すること。施工管理に関しては、前文で不十分な施工管理等に起因する工事事故もあり、労働災害の防止、安全性や品質の確保、適正な施工は建設業者の基本的責務としており、発注者の信頼に応える適正な施工を確保することを要請した。
年末の資金繰りにも関連して、下請代金のうち労務費相当部分は現金で支払うよう配慮を求めた。それ以外の支払いで手形払いを併用する場合は現金比率に努めるよう言及している。約束手形廃止の動きへの留意も。
なお、資材業者、建設機械や仮設機材の賃貸業者、警備業者、運送事業者、建設関連業者などとの取り引きでも、今回要請した内容に準じた配慮を行うよう求めている。
