見たもん勝ち ～建設業応援団～
【建設投資見通し】 24年度は72兆円規模／23年度同水準で推移を
2024/01/16業界動向
建設メール
建設経済研究所と経済調査会経済調査研究所は12日、「建設経済モデルによる建設投資の見通し」（2024年1月版）を公表した。23年度の建設投資は、名目値で前年度を上回る71兆9200億円となり前年度比4・6％増加、24年度は72兆4100億円で同比0・7％増加と予測した。15年度を基準とした実質値で見ても、23年度は前年度比2・1％増の58兆5663億円、24年度は同比0・1％増の58兆6075億円となり、政府分野、民間とも投資は底堅く、24年度も23年度と同水準で推移するとみている。
23年度の建設投資は、全体でみれば政府分野、民間分野ともに底堅く推移すると予想。しかし、建設コストの高止まりは解消の見込みが薄く、特に民間分野は住宅・非住宅とも新規着工に足踏みする様子がうかがえる。
24年度に関しては、前年度の民間分野新規着工減が影響するとみており投資額は名目ベースで前年度同水準と予測。日米の金利幅縮小、円高などで民間企業の設備投資にマイナスの影響を与える懸念があり、下押し要因に引き続き注視する必要がある。
政府分野投資は、名目値で23年度は前年度比6・4％増の25兆8100億円、24年度は同比0・7％増の25兆9800万円と予測。実質値ベースでは、23年度は足元の出来高状況を背景に前年度比3・7％増の21兆1305億円、24年度は前年度と同水準の予算規模が確保される見通しから同比0・8％増の21兆2903億円とみている。
住宅着工戸数について23年度は建設コストの高止まりが需要を抑制してる状況が続き、前年度比3・9％減の82・8万戸とした。24年度は建設コストの上昇幅は鈍化すると想定するが、着工戸数の大幅回復は見込めず、前年度と同水準で同比0・3％増の83万戸と予測した。
23年度の民間非住宅建設投資（建築＋土木）は、前年度比1・7％増の19兆円と予測。企業の設備投資意欲は堅調だが、建設投資に慎重な姿勢が窺え、名目値ベースで対前年度比で微増、実質値は微減と予測した。24年度は、前年度からの反動で着工床面積が微増と予測するが、16年以降では最低水準と比べれば高水準ではない。同比0・1％増の19兆100億円との予測を示した。
