見たもん勝ち ～建設業応援団～
【BIM／CIM】 さらなる実施へ／進むデータシェアリング
2024/03/01建設時事
建設メール
国土交通省が、BIM／CIMによる生産性向上として期待しているものの中に、受注者への資料共有がある。いわゆるデータシェアリング（DS）と呼ぶもので、電子納品・保管管理システムを活用した貸与資料ダウンロードシステムによる補完を進めており、今後はさらなる活用へID、パスワードをプッシュ型で受注者側へ配布していく考え。2024年度は受発注者間でのデータを効率的に共有する手法の検討も進める。
BIM／CIMの原則適用は、中小規模の企業を含めた裾野の拡大につなげるとともに、さらなる効果的な活用により建設生産・管理システムの効率化を図る。紙前提の制度からデジタル技術前提への変革を目指している。
23年度から業務・工事の契約後速やかに「発注者が受注者に設計図書作成の基となった情報を説明」して、受注者が希望する参考資料（電子データ含む）を貸与することを実施している。それまでは、受注者が貸与される資料を読み取り、資料作成の基になっている資料を発注者に依頼していた。
国交省による受注者・発注者に対するアンケート調査では、21・22年度時点で口頭・書面による説明があったとする受注者は58・1％、発注者は60・8％が行ったと回答している。つまり4割程度が説明がない状況だった。
23年度調査では説明ありの割合が向上。受注者は65・6％、発注者が69・1％へ増えてきた。内訳としては、文書での説明が増加。BIM／CIM問わず徹底することを周知している。
貸与資料ダウンロードシステムについては、積極的な活用でDSを補完していくもの。
発注者側は、設計図書の基になった資料の整理は従来通り行い、ダウンロード（DL）検索で効率的にチェックし、修正設計成果品の貸与漏れを防止。説明・貸与に当たり受注者は、DLにより受け渡しの手間と時間の削減ができる。DL検索で説明以外に必要な資料があれば追加申請、発注者の承認後にDLできる。
ただ、これまでは受注者の希望を受けてシステム利用のID、パスワードを発行していた。今後は、できるだけ早期に、プッシュ型に変更する。
受発注者間での効率的にデータを共有する手法検討は、クラウド上でデータを共有管理し、発注者、施工者、設計者がそれぞれアクセスし共有するイメージで、今後の進め方を整理する。
