見たもん勝ち ～建設業応援団～
【建築大工技能者等検討会】 就労環境整備が重要／担い手確保へ実態調査
2024/04/03業界動向
建設メール
建築大工技能者等検討会は、2023年度の建築大工技能者の担い手確保・育成に向けた活動の成果として「地域工務店の育成、建築大工の担い手確保・育成について」を発表した。担い手の確保には、大工になりたい若者に向けて、インターンシップや現場見学、インターネットの活用など、働く魅力の発信強化が必要とした。定着と育成には、大工を社員化し、他産業と比較しても見劣りしない就労環境整備が必要であると結論付けた。
発表内容は「雇用事業所へのアンケート」「新規入職大工へのアンケート」「大工が卒業した教育機関へのアンケート」の調査結果を分析したもの。各アンケートは昨年9月から10月にかけて実施された。
雇用事業所へのアンケートは「大工技能者等の担い手確保・育成事業」に採択された223社が回答。過去3年間の社員大工の離職率は48％。給与制度別で比較すると日給月給制は57％、月給制では39％となった。就業規則の整備条項では就業規則、賃金規定、36協定などの全項目で10ポイント以上、社員大工5人以上の工務店が5人未満の工務店と比較して上回った。
新規入職大工へのアンケートでは175人が回答。就職先の見つけ方について、工業高校では学校の求人票が35％、先生の紹介が32％。普通高校は親戚・知人などの紹介が62％と過半数。大学では親戚・知人などの紹介が46％、ネットの求人票が17％と多様さが目立った。大工が減少している原因のイメージについては、収入が不安定、3K、休みが少ないが主に挙げられている。
大工が卒業した教育機関へのアンケートでは、求人で望ましい年休について「110日以上」と「120日以上」で計50％。望ましい初任給は「18・5万円以上」が43％、18万円以上が43％で18万円以上が86％となった。
