見たもん勝ち ～建設業応援団～
【土地白書】 持続可能な利用・管理を／人口減少社会での政策展開
2024/06/19建設時事
建設メール
国土交通省の2024年版「土地白書」がまとまった。今回は、サステナブル（持続可能）な土地利用・管理に向けた取り組みについて取り上げている。これまで人口増加を前提に農地等から宅地への土地利用転換が行われるとともに、敷地が細分化されてきたが、人口減少社会のもと、土地利用転換等を通じた持続可能な取り組みが広がっている。地域における空き地の有効な利活用、賑わいの創出、管理水準の低下への対応、土地の利用・管理を支える基盤づくりが挙がり、施策が進められている。
地域における空き地の有効な利活用は、空き地等を広場や緑地として整備。グリーンインフラとして機能し、地域コミュニティの形成に寄与している。また、自治体支援による隣地統合や空き地の地域利用として、狭小地等を隣地と統合する際に不動産仲介手数料等を補助する神戸市の事例を挙げている。
賑わい創出に向けて、市街地では空き家と所有者不明土地等が混在しており、対策の連携が求められているため、双方の対策の一体的・総合的推進を進める。また、未利用放棄林を庁舎や商業施設等整備の際に自然環境を生かした緑地空間を創出。雨水貯留施設等のグリーンインフラとしての機能などを挙げる。
土地の管理水準低下への対応で、中山間地域等の管理維持へ管理構想図としての地図化を示し、作成過程での地域住民の積極的な参加で将来像や取り組みを共有する。また荒廃農地の発生防止・解消への取り組みを実施する。
利用・管理を支える基盤として、持続可能な管理・グリーンプロジェクト等を対象にグリーンボンドの発行などによる資金調達。ビッグデータ等を活用など情報基盤の整備。土地の利活用・管理に関する専門人材の育成・活用を挙げた。
このほか、24年度に政府が実施する基本的な施策等についてまとめている。
