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【広がるCCUS活用⑦】 25都道府県が実施中／広がる活用モデル工事／総論
2024/06/21記者の目／論説
建設メール
国土交通省は、建設キャリアアップシステム（CCUS）の普及促進へさまざまな取り組みを進めている。直轄Cランク工事でのモデル工事導入は青森、山形を除く45都道府県に広がっている。また、都道府県発注工事では、25都道府県がモデル工事での工事成績評定加点をはじめ、総合評価や入札参加資格での加点、カードリーダー等費用補助などで44都道府県が取り組んでいる。ただ、現場での浸透には、支援などの充実も欠かせない。
CCUSは技能者の資格や現場での就労履歴等を登録・蓄積し、技能・経験に応じた適切な処遇につなげるもの。技能・経験に応じた処遇改善を進め、若い世代がキャリアパスの見通しが持て、技能者を雇用し育成する企業に人が集まる建設業を目指す。昨年6月にはCCUSレベル別年収も示されている。
その中で、公共工事発注者によるモデル工事等は、国の直轄モデル工事のほか、都道府県などでのモデル工事等導入が広がっている。
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都道府県におけるCCUSに係るモデル工事等の状況
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都道府県のモデル工事導入は25都道府県で工事成績評定による加点を行っている（4月1日現在）。また、総合評価で加点しているのは全国初の山梨県をはじめ21府県に広がり、埼玉県も7月から導入する。
これまで、各支局がそれぞれの県における取り組みを紹介してきた。モデル工事については、原則化している県もあれば、導入していない県もある。導入していても登録の確認のみ、特定の日数を確認できれば加点になるケースも多い。
建設キャリアアップシステム運営協議会は、24年度事業計画で技能者登録10万人、事業者登録1万社、事業者登録更新2・7万社、就業履歴数7800万件を掲げた。CCUSの目的にある就労履歴の蓄積から適切な処遇につなげるためには、日々行われる現場の入退場でのタッチが大事になる。
埼玉県のモデル工事は、実施項目を技能者情報登録、就業履歴情報登録に絞った。就業履歴は、全期間を通じて施工体制を登録し、就業履歴の登録・蓄積を行ったことが達成基準。確認はCCUSの就業履歴月別カレンダーの提出としている。特定の日数ではなく全期間を通じたものだ。
また、費用については、カードリーダー等購入費用や現場でのカードタッチ費用を実績に応じて変更契約を行うなど受注者の費用負担軽減措置も行われている。長野県のCCUS活用工事のように、加点はないが同様の費用負担軽減措置がある。
さらに、電話での履歴蓄積、iPhoneで蓄積、新規登録事業者へのカードリーダー無償貸与、購入など経費助成など、現場で使いやすいよう支援も増えている。
運用を続けていけば、さまざまな課題が浮かび、改善を続けることでより良いシステムへと変わっていく。運営協議会では、就業履歴の蓄積と能力評価の推進などに取り組む。その中には地域公共工事での活用促進、蓄積環境の整備、多能工が評価される環境整備などが挙がっている。
