見たもん勝ち ～建設業応援団～
【施工余力】 業界側も問題なし／意見交換会で確認す
2024/09/18建設時事
建設メール
国土交通省は斉藤鉄夫大臣と建設関係団体との意見交換会で、団体側へ施工余力についての確認を行った。国交省側は、総じて、建設業界には十分な施工余力があるとの考えを示した。
当初予算、補正予算とも順調に執行され、繰り越し分も含め、ほぼ全額が執行され、不用率は1％程度。個別にみれば業務の繁閑、職種・地域による差異があるとの声もあるが、適切な条件での発注を進める公共工事をはじめ、現下の状況では施工余力に問題はないとみている。
日本建設業連合会の宮本洋一会長は、近年受注高について、大きな変化はなく横ばい状況であり、かつ生産性もICT施工の普及などで上昇している。技術者の状況、協力業者の状況等を総合的に勘案して受注の可否を判断しているので、将来的な見通しを持った上で、計画的に発注してもらえれば、今後とも十分な施工体制を確保することは可能としている。
全国建設業協会の今井雅則会長は、大阪・関西万博関連工事や災害復旧工事等の影響で一部の地域、職種で人手不足がみられるものの、業界全体としては総じて施工余力に問題はない。不調・不落は減少傾向が継続、残された不調・不落の主な発生要因は「官積算との乖離」で、施工余力とは関係ないものであり、適正な発注を求めるとともに、自治体や民間発注者への指導も引き続き要請した。
全国中小建設業協会の土志田領司会長は、地方公共団体工事を中心に受注している中小建設業界では、特に問題がなく、むしろ発注が少なく施工余力が余っている感覚。また地方公共団体の発注工事では、企業として適正な利益が確保できない場合は入札に参加しない形で、施工余力とは別次元との考え。安定経営のためにも適正な価格と工期による発注と年間を通して工事量を確保してほしいと話した。
建設産業専門団体連合会の岩田正吾会長は、時期的なことや地域格差はあるものの問題がないと認識を示した。賃金上昇分や資材価格高騰分などの予算をしっかり計上するよう求めた。
