見たもん勝ち ～建設業応援団～
【概算要求】 情報発信強化など／業界構造の実態調査乗り出す／建設業の魅力向上を
2024/10/07建設時事
建設メール
国土交通省は2025年度当初予算の概算要求で、働き方改革等による建設業の魅力向上へ3億400万円を求めている。このうち建設業従事者の働き方改革・処遇改善に関する新規・拡充を図る施策についてまとめた。入札契約適正化では情報の発信力強化、一人親方を選択する際に参考となるツールの検討など行う。さらに、業界構造の適正化に向け重層下請構造の実態調査に取り掛かる。
発注体制の強化と入札契約の適正化は一部拡充する。これまで入契調査などの結果を都道府県や、市町村ごとに地図の色分けで進捗状況の見える化を行っている。さらに踏み込み、調査内容等を一元的にポータルサイトのようにして幅広く発信していく考え。アクセスを増やしていき、自治体の取り組む姿勢を促す。
一人親方の調査などは一部拡充する。実態調査は継続して実施し、調査内容を踏まえて、一人親方になった場合のメリット・デメリットを示し、本人が一人親方がいいのかなど、適切な選択をしてもらうためのツールの作成。収入などが将来的にどの程度変動があるのかといった点も示せればと考えている。
また、実態調査などでは一人親方の労働者性がどこまで認められるのか、境界線が分からないという声がある。労働者性が認められた過去の判例などで事例集を作り周知・普及も図る考え。
建設業の生産性向上策は、現在実施中の生産性向上モデル事業に該当するが、モデル事業を継続するかは今後の判断。30程度ある実施中のモデル事業の成果などを広く示していく考えがある。
新規に業界構造の適正化に向けた実態調査に乗り出す。国会審議や中央建設業審議会でも、多重下請け構造を中長期的な課題として検討するとされている。
しかし、その実態を定量的に調査したことがなく、実態がどうなっているのかを調べる。今後のさまざまな検討に向けた基礎的な実態データにもなる。そこから、良い多重下請けと悪い多重下請けの目印が探し出せればと考えている。
なお、中央建設業審議会基本問題小委員会は今後さらに検討すべき事項の一つに「重層下請構造に起因して非効率や技能労働者への不利益が発生していないか。また、実態を踏まえて建設業許可の合理化をどう考えていくか」を例示している。
