見たもん勝ち ～建設業応援団～
【PFI】 新たな方向を示す／12月にも推進協議会
2024/10/24インタビュー
建設メール
スモールコンセッションをはじめとするPPP／PFIの取り組みについて、国土交通省の塩見英之総合政策局長が見解を示した。従来型のPFIに加えてスモールコンセッションの取り組み、さらに官と民の協力で従来のサービス水準の維持につなぐ3つの方向性を掲げた。また、スモールコンセションでは推進協議会を12月にも立ち上げる見通しだという。
PFIはこれまで、公共が実施するよりも民間に任せた方がより効率的でより良いサービスが提供され、財政資金も少なくて済むあるいは平準化できるということを重んじて実施されてきた。これについては「引き続き重要性は変わらず、今後も順調にすすんでいくだろう」と見通す。だが、民間にとって採算が取れる案件でなければならないため「規模が大きいものに偏る傾向がある。地元業者が参画しにくい」と問題を指摘する。資金調達の問題や企業の体力などハードルが高く、地元が参入しにくく、自治体も検討しづらくなっている。その課題を乗り越える一つの方策として「モールセッションの取り組みを進めようとしている」。
「小さい規模で、地域の事業者でも可能なミニサイズの有休資産の有効活用策」とイメージ。自治体が持つ空き施設など、うまく活用することで地域活性化につながる取り組みができる。自治体も人手不足、予算確保が難しいため、民間事業者と一緒にやることで資金面の解決、それから人的な制約の解決につながると期待する。具体的にニーズがどの程度あるか把握へ調査が始まったところ。
この動きが広がっていくように、推進会議を近く立ち上げて関心を持つ自治体、民間事業者が一堂に会し、マッチングや先進事例の共有などを行っていく考え。早ければ12月か年明けに立ち上げたいという。地方創生2・0という政策の「一つの大きな球にもなりうるもの」と考えている。
さらにもう一つは、次のステップになるが、自治体技術職員の不足を民間事業者の参画で補う。予算の問題もあるが、PPPの一環として広げていけないか模索している。官と民が互いに協力し合い、従来のサービス水準を維持し、人手不足対策になる可能性も見えてくる。
今までのPFIとは異なり、一緒に協力して、地域の課題を乗り越えていく。そういった取り組みが「これからますます重要になってくると思う。その道筋をつけていきたい」という。
