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【国交省インタビュー】 直轄現場は実験場／大臣官房技術審議官 沓掛敏夫氏
2024/12/16インタビュー
建設メール
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沓掛技術審議官
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7月に就任した国土交通省大臣官房の沓掛敏夫（くつかけ・としお）技術審議官は「国交省の一番の力の源泉は現場力」にあるとし、直轄工事の現場では「建設業が抱える課題の解決、ICTの推進、成長力・競争力をつけるような取り組みを行いながら、地方自治体や民間の契約に良い例を示していくフィールド」と話す。
建設業は「災害があれば守り手になり、常日頃は老朽化するインフラの維持管理の担い手、地域の雇用については支え手で、地域にとって欠かせない存在。地域の建設産業を持続可能なものにする、選ばれる魅力的な産業にしていくために、直轄の現場を使いながら引っ張っていく、範を示していきたい」と語る。
昨今の課題で資材高騰に関しては「スライド条項をしっかり適用していくことが一つ大きな話だ」との考えを示すとともに「件数に関しても過去に比べればかなり増え、昨年は900件程度に達し」しっかりと対応できた。労務費の上昇や資材価格の高騰などの対応できる予算の確保は大事だと話す。
発注標準の見直しについては「デフレクターを見ると上昇し続けており、2020年に比べても23年は1・14倍。1999年に今のABCDの境界を決めて、2015年ぐらいまでは1％以下ぐらいだったが、ここに来て急に上がってきた。適正な発注をしていくと、今まではこれだけできたものが、資材高騰、労務費上昇で、何割か減でしかできない状態。出来高も落ち、収益率も減ってきてしまう。そういう意味で26年ぶりに発注標準を見直そうとしている」。
これまでに全建ブロック会議などで率直な生の声を聞かせてもらったという。「北陸では災害復旧・復興を進めたいが技術者がいない、積雪寒冷地では除雪の関係で暖冬になると機械の固定費や待機料が問題」など地域によって課題がある。同じ地域であっても「例えばICT化に関しても、どこから手をつけていいのか分からないという声と、遠隔施工をやっているがローカル5Gの必要性などすごい差があったりと、いろいろな声がある」と感じている。
その中でも共通して聞こえてきたのは「やはり担い手不足ですね。それが一番の課題なのではないかと思います。解消していくためには、処遇を改善し、働き方改革で生産性を上げていくことが大事だ」と語る。
第3次担い手3法の肝になる理念を発注者に理解してもらうため、運用指針の改定を急いでいる。業界団体や有識者から意見を聞いており「とりまとめは年明けぐらい。25年度の新しい発注には合わせていきたい」と話す。
