【社会保険加入状況】 6月から実態調査着手へ
2017/05/09建設時事
建設メール
国土交通省は社会保険未加入対策が目標年次を迎えたことを受けて、6月から実態調査に入る。社会保険の加入状況や法定福利費の支払いなどに関する実態を把握し、5年間の対策を評価するとともに、今後の対策を検討するための基礎資料とする。建設業許可業者から一定数の企業を抽出、アンケート調査票を送付して、企業や工事の属性ごとに結果を集計する。今冬に開く第2回建設業社会保険推進連絡協議会で目標の達成状況を検証する見通しだ。
5年間の対策が奏功し、社会保険の加入は一定程度進んだものの、現場からは「社会保険への加入や法定福利費の支払いは現場により違いがある」「小規模自治体や民間工事では末端まで法定福利費が行き渡っていない」「近年の労務単価の上昇ほど技能労働者の賃金は上がっていない」といった声が出ている。
実態調査では発注者から元請企業、元請企業から下請企業への法定福利費の支払い状況、下請企業が職人へ支払う賃金の状況、社会保険未加入の企業・作業員の属性などを把握し、工事の種類、発注者、元請けの規模等による傾向の違いを分析することで、実態に応じた効果的な対策の検討につなげる。