
東急不動産と鹿島建設が出資する合同会社ノーヴェグランデは「(仮称)九段南一丁目プロジェクト」の新築工事に着手した。1934年完成の歴史的建造物「旧九段会館」を一部保存しながら建て替える事業で、オフィスを中心とした高度利用を一体的に図ることで歴史的価値のある建物を生かしながら新たな価値を加え、にぎわいのある空間を整備する。開発コンセプトは「水辺に咲くレトロモダン」で、2022年7月の竣工を目指す。設計は鹿島・梓設計・工事監理業務共同企業体、施工は鹿島建設が担当。
所在地は千代田区九段南一丁目5番1ほか。施設規模はS造(CFT造)・RC造・SRC造地下3階地上17階建てで、延べ床面積約6万7738㎡。高さは地上約74・9m。用途は事務所、店舗、集会場、駐車場など。保存部分では免震構造、新築部分では制震構造を採用する。
皇居外苑のお濠に面する都内随一の立地を生かし、新築部分全てのフロアでお濠側に開放的な窓面の設置を計画。また保存部分の屋上にはラウンジや自然を感じられる庭園を設置する。さらに最先端のAIカメラ技術による次世代セキュリティシステムの実装、ランニングステーションや仮眠室、礼拝室・オールジェンダートイレなども備える。
なお旧九段会館は帝冠様式の威風堂々とした外観や要所に用いられたアール・デコの装飾など九段下の街路景観の象徴的存在であることが認められ、9月に登録有形文化財に登録された。