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【国土交通省就任インタビュー】 鉄道局長 水嶋智氏「安全・安心な鉄道環境を」
2019/09/25インタビュー
建設メール
国土交通省鉄道局の水嶋智局長は2年ぶりの鉄道局勤務となる。大きな自然災害が重なったこともあり「安全・安心に対する国民の要求水準が高まっていると感じた。安全・安心な鉄道の環境整備とともに望まれている鉄道の整備も行う必要がある」とした上で「重要なインフラとしての鉄道を次の世代に承継していけるような鉄道行政を心掛けたい」と抱負を語る。 鉄道分野における建設業の働き方改革に向けては「列車が運行しない深夜の時間帯にしか行うことができない保線工事など、他の建設工事にはない特殊性が鉄道分野の建設業の仕事にはあるので、十分に注意していく必要がある」と指摘。2年前に鉄道事業者や受注者等との議論の場となる連絡会議を設置しており「工期の設定や発注手続きに関する実態調査などを踏まえた週休2日導入工事の試行、ICTを活用した検査技術の開発といった取り組みが必要になってくる」との考えを示す。
今後は会議での議論等を踏まえ「鉄道工事の特殊性を考慮した上で、本年度内をめどに鉄道工事における働き方改革の取り組み方針をまとめたい。保線に従事する人手の確保が大変だという現場の声も聞く。働き方改革は世の中の大きなテーマで、鉄道分野の工事関係者にとっても非常に切実な問題。しっかりと取り組みたい」と意欲を見せる。
鉄道施設のメンテナンスに対しては「鉄道事業者が保有する橋梁やトンネルなどの鉄道施設は歴史を積み重ねてきたものが多く、法定耐用年数を超えたものがたくさんあり、適切に維持管理していくことが重要な課題。厳しい経営環境の中で事業運営を行っていて、自らの資力だけでは老朽化対策が困難な場合は、将来的な維持管理費を低減し施設の長寿命化につながる鉄道施設の改良等に対して財政的な支援も行っている。こうした取り組みを進めることが基本」と話す。また防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策では、鉄道関係で4分野の対策を推進中で「来年度末までに確実に対策を終えることができるように取り組む」とした。
【略歴】みずしま・さとる
1986年東大法学部卒、運輸省採用。国交省大臣官房総務課長、大臣官房審議官（総合政策局、鉄道局担当）、鉄道局次長、観光庁次長、海事局長を経て本年7月9日付で現職。56歳。京都府出身。
