見たもん勝ち ～建設業応援団～
【施工確保対策】 直轄の総合評価方式で技術者実績求めない運用も
2019/10/23建設時事
建設メール
国土交通省は、災害対応を含めた本年度下半期以降の事業執行に万全を期すため、さらなる直轄事業の施工確保対策を講じる。予定価格設定に当たり応急復旧工事に限らず見積もりを積極的に活用するほか、実工期を柔軟に設定できる余裕期間制度の原則活用と期間の拡大、技術者の実績要件を求めない総合評価落札方式の運用、検査時の書類の簡素化などが主な内容。災害関連工事・業務に加え通常の工事・業務が対象となり、21日付で地方整備局や地方自治体、建設業者、建設関連業者に対して通知を行った。
設計積算のうち見積もりの活用については、河川維持工、砂防工など調達環境が厳しい工種や資材では当初発注から積極的に見積もりを活用して積算し、特別調査や見積もり徴収等で設定した歩掛や単価は事前公表する。余裕期間制度は原則活用し、当面の運用で契約ごとに原則6カ月を超えない範囲内で設定できることにする。また適切な設計変更として、通常の設計変更に加え、厳しい施工条件を踏まえ地域外からの労働者確保に要する宿泊費などの設計変更対象経費や工種等を入札公告時に明示し、適切な変更に対応する。
入札契約の関係では、総合評価落札方式について十分な技術力があるにもかかわらず評価対象となる実績を持たない企業や技術者にも受注機会を拡大する目的で、工事規模・地域の実情に応じて実績等にとらわれない評価項目の設定に努める。不調の発生による未契約案件では不調随契を活用する。さらに、地域の実情に応じた適切な規模・内容で発注するため、地域要件の緩和や発注ロットの拡大、河川事業と道路事業の組み合わせ発注、工事難易度が低いものは上位等級工事への参入の拡大を積極的に推進する。
施工段階では検査時の書類簡素化として、通常必要な44種類の書類を、工事品質に関わる資料を中心に10種類程度に厳選することも認める。
今回の施工確保対策は、台風19号で被災した地方整備局等へ派遣している災害対策現地情報連絡員（リエゾン）を通じて県、市区町村、業界団体等にも情報提供していく。
