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【適正な工期設定】 直轄工事で年度内に指針作成へ
2019/10/29建設時事
建設メール
国土交通省は、適正な工期設定につながる一連の手続きを「直轄工事における適正な工期設定指針（仮称）」として年度内に取りまとめる。改正公共工事品確法で発注者の責務として適正な工期設定が明確に位置付けられたことを踏まえ、一部の地方整備局で進む先駆的な取り組みを含めて作成する考え。工事発注準備段階、工事入札契約段階、工事施工段階、工事完成後の各段階で取り組みを整理し、工夫を促すための指針とする。
国交省直轄工事では、適正な工期を設定するため、準備・後片付け期間の見直しや余裕期間制度の活用、工期設定支援システムの導入などに加え、工事工程を受発注者で共有するといった受発注者協働の取り組みを進めている。8月末には工期設定支援システムの改良版の提供を開始。過去の工程データをもとにAI（人工知能）が工程間の接続を手助けするとともに、当初と変更の2段表示に対応させた。また多様な工事費積算ソフトとの連携を可能にするためにシステムの仕様を公開するなど、地方自治体を含む発注者の工期設定を支援している。
新たに作成する工期設定指針では、まず工事発注準備段階において▽準備・後片付け期間、休日・降雨日による不稼働日の適切な設定▽施工時期の平準化▽余裕期間制度の原則活用▽工期設定支援システムの活用▽施工条件の明示、概略工程表の公表―を進める。
工事入札契約段階では、契約後、速やかに施工条件確認部会で全体工期を左右する工程管理情報（クリティカルパス）と施工条件の確認により、工事工程について受発注者間で共有を図る。
工事施工段階では、情報共有システム（ASP）を活用した工事工程の共有、関連する複数の工事間での工程共有、工程調整会議による迅速な意思決定・設計変更など施工条件の変化等に応じた適切な対応、一時中止等に伴う適切な経費の計上を行う。
工事完成後は、実績工事工程を収集し、工期設定支援システムへ反映するなど、その後の発注工事への活用につなげる。
