〈冬虫夏草〉　趣味の世界

　会社の中における交流は、昔と今では随分様変わりしてきた。

偏見かもしれないが、建設業界において会社の交流は『飲み会』だったはずだ。

営業は営業で鍛えられ、現場は現場で鍛えられるものの、代表的なものは仕事のスキルよりお酒のほうが比重が大きかった気がする。

しかし、今や酒気帯び運転等に対する厳しい目は当然として、先輩の下の者に対する強制力がパワハラと呼ばれるようにもなったことで、下火になっている気がする。ゴルフも誰もがという状況でもない。

ただ、会社が人生であった時代は過ぎ去った感があるものの、個人的趣味というものは大事である。

ワーカーホリックであったものは、定年後にやりたい事がたくさんあると思っていても、そうなってみると実際にやる気が起きず、ダラダラと日々を過ごす人が多い。

意外と趣味人口が多いのが釣りである。しかし、釣りは特に海釣りは時間がかかる為、平日は難しい。

そこで、お勧めするのは、観劇である。

観劇は多岐にわたるジャンルとして認識していただきたい。

映画もそうであり、歌舞伎もコンサートもそうである。

年をとると若者の音楽についていけなくなる。その点、クラッシックは17世紀を代表するバロック音楽など4世紀以上経ても色あせない音楽である。

17世紀を代表し、音楽の父と称されるバッハの『Ｇ線上のアリア』や『無伴奏チェロ組曲』は一つの世界を形成している。

バッハもそうであるが、教会に属し、神の世界を音声化することにかなりの労力が割かれている。

自身はキリスト教徒ではないが、シューベルトの『アベマリア』は確かに感動するものがある。

また、古典と言われるクラッシックを代表する音楽家としてベートーベンやモーツァルトがいる。

ベートーベンは年末に行われる第九は誰もが知るところだが、モーツァルトの音楽も至る所で使われている。

モーツァルトの作品には作品番号が振られており、Ｋ(ケッヘル)というが、Ｋ.265、Ｋ.331、Ｋ. 525などは、モーツァルトを知らずとも一度は耳にした事があるだろう。

また、17世紀はイタリアにおいてオペラが大衆的にも流行した時代であり、18世紀を過ぎると、後世に残る作品が排出された。

プッチーニはつとに有名で、『蝶々夫人』は日本が舞台だ。同氏は同じく東洋(中国)を舞台にした『トゥーランドット』も有名で、その中の『誰も寝てはならない』はテノールの最高の見せ場であろう。

ソプラノでは何といっても、モーツァルトの『魔笛』の夜の女王のアリア『復讐の炎は地獄のように我が心に燃え』だろう。

きりがないが、時間をかけ極めるにはもってこいと言うわけだ。

寄稿者：冬虫夏草
長きに渡り、地方自治体における総合評価制度の実際の現場で評価に携わってきた
現在も総合評価制度を探究し、ゼネコンはじめ多くの建設企業から相談を受けている