見たもん勝ち ～建設業応援団～
【月間アーカイブ・7月】 流域治水への転換加速
2020/08/04建設時事
建設メール
【7月のトピックス】 赤羽一嘉国土交通大臣の主導により、国交省が進める「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」がまとまった。
注目の取り組みでは、氾濫危険水位を超過した河川数が2014年と比較して約5倍になるなど気候変動の影響が顕在化する中、河川や下水道管理者等による治水に加え、あらゆる関係者が流域全体で行う「流域治水」への転換を打ち出した。昨年の台風で甚大な被害を受けた7水系の緊急治水対策プロジェクトと同様に、全国の一級水系でも流域全体で早急に実施すべき対策の全体像「流域治水プロジェクト」を示し、ハード・ソフト一体の事前防災を加速させる。今後、中間取りまとめを行い、本年度中にプロジェクトを策定する。
気候変動の影響を反映した治水計画等への見直しも図る。地域ごとの具体的な対策の実装に向け詳細な評価を進め、河川、海岸、港湾、下水道に関する整備計画や施設の基準を気候変動の影響を考慮したものにし、気候変動で降雨量等が増加した場合でも国民の命や暮らしを守ることができるよう抜本的なハード・ソフト対策に着手する考えだ。
九州地方を中心に未曾有の被害をもたらした「令和2年7月豪雨」では、記録的な大雨に伴う堤防の決壊等により多くの河川が氾濫した。同一地域で毎年のように豪雨災害に見舞われている点も近年の特徴であり、激甚化・多発化する災害に対する備えが欠かせない。本年度が最終年度となる「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」の継続はもとより、中長期的な視点に立った着実な対策の実施が求められる。
【国交省事務次官に栗田氏】
国交省が21日付で発令した幹部人事異動により、栗田卓也事務次官が誕生、山田邦博技監は留任となった。また総合政策局長に石田優氏、国土政策局長に中原淳氏、都市局長に榊真一氏、住宅局長に和田信貴氏が就任。さらに8月1日付で水管理・国土保全局長に井上智夫氏、道路局長に吉岡幹夫氏が就いている。
