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【全中建】 「使いにくい」の声も／CCUSモデル現場中間報告
2020/12/02業界動向
建設メール
全国中小建設業協会（全中建、土志田領司会長）は、建設キャリアアップシステム（CCUS）促進に向けて独自に取り組む「モデル現場ちゃれんじ工事」の実施状況中間報告をまとめ、赤羽一嘉国土交通大臣に要望書とともに提出した。各種登録、カードリーダー設置状況等に関するアンケート結果では、「システム習得が困難で使いにくい（67％）」や「各種帳票作成は困難（88％）」との意見があるなど、課題は山積している。
アンケートは10項目に分かれている。元請け事業者登録については「登録は容易（44％）」に対し、「登録は困難（56％）」が上回り、サイト上の分かりづらさ、複雑さ、使い勝手の悪さなどが指摘された。
下請け事業者登録は「元請けが代行申請（11％）」「それぞれの下請けが登録（89％）」という結果に。技能者登録も同様の結果が出ている。
カードリーダーのタッチに関しては「入場者全てがタッチ」は12％で、「管理者、現場管理者、技能者の一部がタッチ」が88％。これは下請けの登録不備、一部予定工程の遅れに伴う現場乗り入れの遅延による未活用などが理由にある。
また活用状況は「システムを習熟し活用」が33％で、「システム習得が困難で使いにくい」が67％とほぼ倍の数値。システムの複雑さ、登録手順の多さ、確認・操作方法の分かりづらさの声が多く、改善を求めている。
CCUS導入による効果としては「試験中なので分からない」「発注者からの工事成績加点が無いのでメリットがない」「現在の工事規模では効果が感じられない」というマイナス面がある一方、「作業員の疲労状況を第三者に証明できる」「公共工事の評価点アップにつながれば元請けにもメリットが出てくる」「現場作業員の意識向上が図れる」という利点も挙がっている。
今後のさらなる周知・普及には「システム簡略化の改善」「他カードとの集約」「ネット環境の整備」「登録料・利用料の値下げ」などの意見があった。
ちゃれんじ工事は、全中建が2月に開催した財務委員会でCCUSモデル現場の提案があり、正副会長が中心となり会員企業から募集。システム利用による効果・課題の確認・把握を目的に試行実施を決定し、全国11現場で試行している。
