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【生産性向上】 ICT活用工事は25年度に直轄土工で約2700件
2021/06/07建設時事
建設メール
国土交通省は7日にi－Construction推進コンソーシアムの第7回企画委員会を開き、さらなる生産性向上への取り組みの方向性を議論した。国交省は建設分野の生産性指標として、直轄ICT活用工事（土工）において作業時間縮減効果から算出した生産性向上比率を用いて生産性を計測。ICT活用工事が導入されていない2015年度と比較すると、19年度までに約17％向上しており、引き続き実施件数拡大を図り、25年度には23％の作業時間縮減効果を目指すとした。ICT活用工事の実施件数は19年度が約2100件、25年度には約2700件を目標とする。
また、直轄工事以外に地方自治体や民間工事を含めた生産性を評価するため、各種統計データを用いて建設業全体における単位労働者・時間当たり付加価値額から生産性向上比率を計測。i－Construction導入前の15年を基準として、19年には生産性指標が約7％向上したことを説明した。
また、国交省はi－Constructionの目指すものとして、①中小企業への普及拡大②イノベーションを生み出す環境整備③人材の確保・育成―の方向性を提示。人口減少、少子高齢化により労働人口の減少が懸念される中、自動化・ロボット活用等を通じて現場を変革し、やりがいや生産性を共に高め、経済の好循環に貢献するとした。
中小企業への普及拡大では、地域企業の約半数がICT施工未経験であることを考慮し、ICT施工未経験企業へのアドバイスを行う取り組みの全国展開やICT活用工事の標準化を見据えた地元企業への発注者指定型方式の拡大、入札時に提出される施工計画書に生産性向上の記載がある場合に優位に評価する方式の試行を行う。
ICT施工以外でも、パワーアシストスーツ活用による人力施工の改善も進める。21年度に全国約20カ所の直轄工事現場で試験施工を行い、効果を検証するとともに、中小企業等を含めた普及方策を取りまとめたロードマップやガイドラインの策定を予定する。
委員からは「地方自治体の発注工事にまで普及して初めて成功と言える」「デジタル技術の導入が目的にならないよう、現場での課題改善という本来の目的を常に意識することが重要」「普及に向けて企業だけが頑張っても限界がある。発注者も一緒に取り組まないといけない」「失敗を責めるのではなくチャレンジを評価することが必要ではないか」「生産性2割向上を目指す目標をもっと上げてはどうか」などの意見が出た。
