見たもん勝ち ～建設業応援団～
【歩切り】 全自治体で根絶も再度徹底求める
2021/06/15建設時事
建設メール
適正な積算に基づく設計書金額の一部を不当に切り下げて予定価格とする「歩切り」を行っている疑いがある地方自治体が16団体あることが判明したことを受け、国土交通省が直接個別に是正の働き掛けを実施した結果、全ての団体で歩切りを行わないことを確認したことが分かった。
これにより、設計書金額と予定価格が同額である団体は1681団体（見直す方向で検討中の1団体含む）、端数処理等を行っているのは107団体となった。
国交省では歩切りについて、公共工事の品質や工事の安全確保に支障を来すとともに、建設業の健全な発達を阻害する恐れがあると説明。総務省との連名により、15日付で地方自治体へ出した通知において「今後ともこれを厳に行わないことを改めて徹底すること」を求めた。
また、見積もり等を参考に価格を設定する場合、妥当性を確認した上で適切に価格を設定するよう要請。その際、見積価格やメーカー等の販売希望価格に対して市場実態や妥当性を確認することなく、発注者が独自にいわゆる乗率等を設定する運用が一部で見受けられることから「公平性・透明性を損なう恐れが高く、ひいては実質的に歩切りと類似する結果を招く恐れもある」とし、不当な乗率の設定取りやめを求めている。
