見たもん勝ち ～建設業応援団～
【国際競争力強化】 請負工事依存から脱却し海外PPP展開を
2021/07/07建設時事
建設メール
国土交通省が設置した「建設業の国際競争力の強化に関する検討会」が、請負工事に依存した事業モデルからの脱却に向けた方策をまとめた報告書を公表した。日本の建設企業が海外PPP展開を図る上で、国や建設企業、金融機関等が議論を行い、大きく①経験の蓄積②建設企業における対応力強化が必要とし、方策を整理している。
経験の蓄積に関しては、さまざまな形態で実際に案件への参画を果たし、経験を蓄積することが重要とした上で、まずは他社との共同出資など比較的ハードルが低い方法による事業実績と知見の蓄積を図ることを推奨。調達資金等のハードルが高くリスクも大きい新規の建設案件ではなく、既成インフラのコンセッションなど相対的にハードルの低い事業から始めて、経験を蓄積することも有効な選択肢とした。
運営期間が長期となる事業では特に、管理・運営の経験豊富な国内外のオペレーターの助言や協力を得つつ、主体的に運営に取り組むことが有効であり、経験が足りない間は出資者・施工者として参画し、運営は外部オペレーターに委ねる方法もあり得るとしている。また、民間提案型の案件発掘・形成を行うことで、競争入札の回避や競争入札時の加点を目指すことも選択肢に挙げた。
対応力の強化の関係では、人材の確保・育成や海外でのPPP事業に対応できる弁護士との接点も重要と説明。現地人材の雇用、現地建設企業とのネットワーク構築等によるローカル化を進めることや、現地有力建設企業の買収等を通じた積極的な事業拡大、共同出資者等からの利益相反への懸念に対処する必要があることも盛り込んだ。
政府による支援策の在り方では、具体的な案件形成や事業性の確保・向上に係る支援が考えられるとした。
なお、国交省では各国政府機関が新型コロナウイルスの感染拡大を受けて実施した建設業に関連する規制・措置や支援策等について整理した報告書を作成し、ホームページで公表している。
