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【プレキャスト活用】 本年度は直轄設計で比較検討方法を試行
2021/07/27建設時事
建設メール
コンクリート構造物工の生産性向上を目指す国土交通省は、プレキャストの活用を進める。全国の取り組みでは、コンクリート構造物の設計において、コスト以外の要素も考慮した上で場所打ちとプレキャストを比較検討し、最大価値となる形式・工法を選定するための評価項目・評価方法を整理、本年度中に5件程度の直轄業務で試行する。比較設計方法の基準化に向けた検証は2022年度に行う。また本年度は全国に先駆けて北陸地方整備局で「プレキャスト一括採用試行工事」を8件程度で行うほか、近畿地方整備局では検討会を立ち上げて年度内に「プレキャスト活用マニュアル（案）」を取りまとめる。
従来の手法ではコストを中心に比較検討し、最安値となる形式、工法を選定しているため、プレキャストは採用されにくくなっている。そのため「Value for Money（バリュー・フォー・マネー）」の概念を取り入れ、安全性や施工期間などコスト以外の観点を考慮した比較設計への転換を図る。
コスト以外に評価する項目の例としては、▽工期▽品質管理▽施工性▽施工時の安全性▽周辺住民や道路ユーザーへの影響（社会的コスト）▽自然環境への影響（CO2排出など）▽景観▽維持管理性▽働き方改革への寄与度（労働時間、休暇取得、書類削減など）を視野に入れる。
今後、評価項目・評価方法を実際の検討時に適応可能な形に整理した上で、直轄の業務に適用し試行する。対象業務は実施中または完了済みの業務を含めて検討し、5件程度で試行した上で、比較検討方法の確立を目指していく。
