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【国土交通省就任インタビュー】 事務次官・山田邦博氏「国民目線の対応を徹底」
2021/08/10インタビュー
建設メール
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「山田事務次官
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国土交通省の山田邦博事務次官は、自然災害に対する防災・減災、国土強靱化や新型コロナウイルス感染拡大防止、インフラ分野のDX（デジタル・トランスフォーメーション）など「さまざまな課題がある中で、国民目線で対応していくことを徹底していかなければならない」と抱負を語る。また「国民目線で物事を進めようとすると所管分野だけでは難しい。足りない部分は他の部局、他省庁と連携していくことが重要」と指摘した。
「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」については、国交省で53の施策を重点的・集中的に実施するとし「2021年度に関しては20年度の補正予算で事業費を計上した。22年度以降は予算編成過程でどうするかを決定していくため、これから調整となるが、着実で計画的に施策を実施していきたい」と意欲を見せる。
インフラ分野のDXに対しては「コロナをきっかけに非対面・非接触の重要性が再認識されたが、いろいろな場面でこれからも有効になる。DXを国民のニーズを捉えた上で社会資本や公共サービスの変革にどう使っていくのかということが非常に重要。加えて業務や組織、モノを作っていくプロセス、建設業や国土交通省の文化、風土を変えていく一つのツールになる」と強調。今後は「行政手続きをどうデジタル化してサービスを向上していくのか。あるいは現場の安全性や効率性を上げるという面でロボットやAIを活用していく。また仕事のプロセスや働き方を変えていくためにデータの活用環境をどう整備していくのかという点を柱として省内横断的に取り組んでいる。民間や学識者の意見も聞きながら、文化や風土を変える観点からDXを進めていきたい」と述べる。
建設産業の働き方改革と担い手の確保・育成に向けては「新・担い手3法では建設業の働き方改革や生産性向上、災害時の緊急対応の充実・強化を中心に改定を行った。工期の適正化や施工時期の平準化、技術者制度の合理化などの措置を講じており、現在は具体的な取り組みを進めている」と説明。処遇改善の観点では「技能者の能力を適切に評価するために官民挙げて建設キャリアアップシステムの普及に取り組んでいる。賃金に関しては3月に国土交通大臣と建設業4団体の幹部が意見交換し、今年はおおむね2％以上の賃金上昇を目指す旗印の下、全ての関係者が可能な取り組みを進めることになった」とした上でダンピング受注排除や適正な請負金額による下請け契約といった課題に取り組む意向だ。
さらに「建設業を魅力ある産業にするため、これからは新3K（給料・休暇・希望）に『かっこいい』を加えた新4Kの時代ではないか。炎天下の厳しい状況で働くイメージではなく、DXや遠隔臨場など離れたところで機械を操作して国民のためになることをやっていく。そういう若い人が入りたくなるような産業にしていきたい」との見解を示した。
【略歴】やまだ・くにひろ
1984年東大大学院工学系研究科（土木）修了、建設省採用。国交省関東地方整備局河川部長、水管理・国土保全局治水課長、大臣官房技術審議官、近畿地方整備局長、水管理・国土保全局長、内閣官房内閣審議官・内閣官房国土強靱化推進室次長、国交省技監を経て本年7月から現職。63歳。愛知県出身。
