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【国土交通省就任インタビュー】 公共事業企画調整課長 岩見吉輝氏「個々の会社で生産性向上を」
2021/08/24インタビュー
建設メール
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岩見課長
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国土交通省総合政策局公共事業企画調整課の岩見吉輝課長は、建設施工の現場に今後もICTを普及させる考えを示した上で「個々の建設会社の生産性向上が重要」と話す。製造業の工場生産で取り入れられる品質を確保しながら会社の利益を大きくする生産技術、生産管理を建設施工の現場に実装化し「会社の生産性を上げ、その利益を原資に個々の会社で新3K（給料、休暇、希望）を実現し、魅力を向上させていく正のスパイラルを回しながら建設業を持続的に担っていただく。建設会社が元気になってもらうことが公共事業を支えていくことにつながる」と期待を寄せる。さらに「地方の中小の建設会社にICTを普及させるためにも、経営者や主任技術者にICTを導入する意義は会社の生産性を上げることだと理解していただきたい」と強調する。
3次元データを活用したBIM／CIMに関しては「施工の証拠をデジタルで残し、設計の考えの情報と合わせて管理の段階に生かすという理念の重要性はますます強まる」と指摘。その一方で「管理に生かすために施工データを残すことは正しいが、インセンティブとしては弱い。経営を良くするために会社の生産性を上げるメリットを感じて、各社でデジタル化を進めることでデジタルデータが自動的に集まることが大事」と述べる。加えて「デジタル化した部分の書類は不要とし、書類を減らすことも進める必要がある」とした。
また「少子高齢化に対応していくのは自律化・自動化施工。大幅な省力化をせざるを得ない時のための技術開発であり、施工現場は大きく変わる。仕事のやり方が変わるものが出てくると考えられ、連携して発注者側も変わっていかなければならない」と考えている。
社会資本整備審議会で議論が進む河川機械設備の在り方については「ポンプやゲート設備の遠隔操作の在り方とルール、業界の技術者・技術力維持の問題がある。設備の管理者は自治体が多く、支援の方法も重要なポイントだ。今後はゲート設備も含めて議論を進めたい」との姿勢を見せる。
【略歴】いわみ・よしてる
1988早稲田大学理工学部機械工学科卒、建設省入省。国交省関東地方整備局道路部道路企画官、中国地方整備局岡山国道事務所長、総合政策局公共事業企画調整課施工安全企画室長、北陸地方整備局建政部長、同局道路部長、土木研究所技術推進本部長を経て本年7月から現職。57歳。東京都文京区出身。
