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【建専連】 ダンピング防止へ団体ごとに「標準単価」検討
2021/09/02業界動向
建設メール
建設産業専門団体連合会（建専連、岩田正吾会長）は、ダンピング防止対策の一環として「標準単価」の設定を検討している。専門工事業の技能者のレベルに応じた最低賃金を団体ごとに定め、安定した賃金支払いを担保するための標準単価を定めるもので、8月下旬に開いた臨時理事会で決定した。各団体が作成する標準見積書に標準単価を記入する形を想定しており、特に元下間の契約における不当に安い単価での契約防止につなげたい考え。標準単価は各団体が年度内に策定し、発注者などに対して理解を求めていく。
背景には、仕事量が減った地方において従来の見積額の半値が提示されるといった極端なダンピング問題が発生していることがある。現場の技能者への適切な賃金支払いに向け、3月に国土交通大臣と建設業4団体が意見交換を行い「おおむね2％以上の賃金上昇の実現を目指す」という旗印のもと、全ての関係者が可能な取り組みを進めることになったものの、特に受注の大半を占める民間工事で処遇改善の原資となる単価が下がれば、処遇改善を進めることができない現実がある。
今回の取り組みについて、岩田会長は「景気の動向で工事量が変わり、仕事量の繁閑で単価が変わってしまっていては支払える原資が不安定となり、処遇改善にはつながらない。レベルごとの最低水準をガラス張りにするべき」と話す。さらに「民民の契約では下限がなく、監督・指導していかなければ本当の改善にはならない。次の世代の経営者のことを考えた取り組みが重要で、最低の水準であっても未来予想図は描ける。レベルごとの最低賃金を担保するために、建専連の総意として目安となる標準単価を出したい。業界全体で作り上げる空気感が大事だ」と力を込める。
建専連では、6月から7月にかけて実施した国交省地方整備局等幹部との意見交換において、徹底的なダンピング対策に向けて行政でも民間工事を含めた監視の目を強化するよう要望していた。
◎新たに全国圧入協会が入会
建設産業専門団体連合会（建専連、岩田正吾会長）に全国圧入協会（中岡智信会長、本部・東京都港区）が8月10日付で正会員として入会した。これにより建専連の正会員は34団体となった。
また、7月末で理事を辞任した田中正晴氏に代わり、8月24日付で建設業労働災害防止協会の井上仁専務理事が新任理事に選任された。
いずれも書面評決方式により開催した臨時理事会で承認されている。
なお、本年度の全国大会については開催中止が決まった。
