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【一人親方問題】 ガイドライン改訂で適正な目安の運用記載へ
2021/09/03建設時事
建設メール
社会保険加入や働き方改革の規制逃れを目的とした建設業の一人親方化対策等を探る国土交通省の検討会が3月に中間取りまとめを行ったことを受け、具体的な対策案の検討が始まった。2日に開いた検討会では、中間取りまとめの内容を踏まえて、社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインを年度内に改訂し、適正および適正でないと考えられる一人親方の具体例や「適正一人親方の目安」の当面の運用について記載する方向性を確認した。今後、各建設業団体へ聞き取り調査を行って意見を反映させるなど、ガイドラインの見直し作業を進める。
また、本年度中に▽適正一人親方の目安▽適正でないと考えられる一人親方について▽働き方の自己診断チェックリスト▽労働者と一人親方の違い▽フリーランスのガイドライン▽インボイス制度▽一人で請け負うことが可能な職種や現場の例―などを記載したリーフレットを発行する。
中間取りまとめでは、明らかに実態が雇用形態であるにもかかわらず、一人親方として仕事をさせている企業を選定しない取り扱いとすべきことや、技能者に対して働き方が適正化どうかを確認するための取り組みが盛り込まれた。さらに、国交省および建設業界が政策的に推進する「適正一人親方の目安」として、「実務経験年数が10年程度未満」または「建設キャリアアップシステム（CCUS）のレベル3相当未満の技量」の10代や20代の技能者が一人親方として扱われている場合は、雇用契約の締結・社会保険への加入を促進する。実務経験年数が10年程度以上あり、CCUSのレベル3相当以上の技能者が一人親方として現場作業に従事している場合は、目指すべき一人親方として政策的に誘導し、建設業法に基づく適正取引を周知することを打ち出している。
今回、「適正一人親方の目安」の当面の運用に対しては、業界団体から一定の周知期間が必要とする声や実効性のある取り組みを求める意見が出ている。
