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〈耳寄り〉 リファイニング建築で建て替えに比べCO2排出量を大幅削減
2021/09/22業界動向
建設メール
三井不動産（東京都中央区）は、既存躯体を再利用するリファイニング建築について、既存建物を同規模に建て替えた場合と比較してCO2排出量を大幅に削減できるという共同研究の成果を公表した。青木茂建築工房（東京都渋谷区）の協力のもと、東京大学新領域創成科学研究科の清家剛教授と共同研究を行った結果、既存躯体の約84％を再利用することで、CO2排出量を72％削減できることが分かった。
共同研究の対象は、築49年の旧耐震基準で建てられたSRC造（一部RC造）9階建て、延べ床面積約2160㎡の賃貸共同住宅をリファイニング建築で再生するもの。建物寿命を新築同等とするため、躯体の調査、補修を実施した上で耐震性能を現行法規レベルまで向上させる。また、竣工後の運用時エネルギーも新築同等とするべくサッシ交換や断熱改修等も実施する。設計は青木茂建築工房、施工は大末建設が担当。
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今回の研究では、製造、運搬、施工の段階のうち、最も削減効果が大きい製造段階に注目してリファイニング建築時に使用される建築資材量を算出し、資材の製造時のCO2排出量を試算。建て替えの場合も同様に算出し、比較検証を行った。
一般的にリファイニング建築は躯体の80％以上を再利用するもので、老朽化した施設の耐震化だけではなく、建て替えと比較した場合、建設時のCO2排出量を大幅に削減することが可能となる。脱炭素という観点から、既存の躯体を再利用する建築手法が今後も注目を集めそうだ。
