見たもん勝ち ～建設業応援団～
国交省が業界団体へ材料費・燃料費に留意した適切な価格設定要請
2021/12/01建設時事
建設メール
国土交通省は1日付で、建設業関係団体に対して下請契約や下請代金支払の適正化、施工管理の徹底などを求める通知を出した。一般的に盆暮れ通達と称され、例年、資金需要の増大が予想される夏と冬に要請しており、全国の自治体にも参考送付する。今回、適正な法定福利費および労務費の確保に関する項目を新設。国土交通大臣と建設業4団体が「おおむね2％以上の賃金上昇の実現」に官民一体で取り組むことを確認したことを踏まえ、元請けおよび下請け（再下請け含む）が、法定福利費と労務費を内訳明示した見積書を提出、尊重することを明示した。
また、見積もりの関係では、資材・原油価格の高騰等を考慮し、材料費や燃料費等の適切な価格設定、工期設定・工程管理への配慮、工期内の賃金または物価変動による適切な対応について、元下間、発注者と元請け間でも協議を行い、市場価格を参考に適切な価格設定となるよう求めている。
通知では、下請けへのしわ寄せ行為は、ダンピング受注や技能労働者の賃金水準低下等につながりやすく、建設業の担い手確保や育成を困難にしている原因になり得ることを指摘。さらに、建設キャリアアップシステムの普及により、技能者の能力評価が進展することを見据え、技能者の地位向上や技能を反映した具体的な労務費の見積もりとすることが望ましい旨も新たに盛り込んだ。
他にも、▽見積依頼・提出を踏まえた双方の協議による適正な手順の徹底▽追加・変更契約の際の見積依頼・提出▽建設工事着工前の書面による契約締結▽建設リサイクル法対象工事の必要事項の相互交付―について、メール等による電子化も認めることを明記した。
