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【シールドトンネル】 安全施工のガイドライン素案で留意事項整理
2021/12/03建設時事
建設メール
シールド工法のさらなる安全性向上へ、ガイドライン策定を進める国土交通省の施工技術検討会が、これまでの議論を踏まえた素案をまとめた。リスクの想定と対応の考え方のほか、調査、設計、施工の各段階および施工に当たっての周辺生活環境への配慮など留意すべき事項を整理している。
国交省では、鉄道・運輸機構やネクスコ東日本が進めるシールド工事現場付近において、昨年、陥没事故が相次いだことを受けて本年9月に検討会を設置。今後も幅広く活用が見込まれるシールド工法の実施に当たり、周辺地域の安全対策について技術的に有用な知見を反映させたガイドラインの策定を目指している。
素案では、大きな被害は突然発生するわけではなく、異常の兆候を複数の観点で把握する施工管理を行う中で、対策を講じないまま施工を進めたことで発生するものと考えられると指摘。地質調査や支障物調査で現場の条件を十分に把握した上で、シールドトンネルの施工により生じる恐れがあるリスクを体系的に整理し、設計で配慮するとともに、施工時に万が一トラブルが発生した場合の対応をあらかじめ定め、施工計画や施工管理に反映することが必要とした。
施工段階では、シールドの掘進時の土砂の取り込み量の管理を適切に行い、過剰な取り込み・取り込み不足を防止することや、排土量管理は精度の維持・向上と異常の兆候等の早期把握に努める必要があるとしている。
周辺への配慮では、地域の安心確保のために、地盤変位量、地下水位、騒音・振動等の定期的なモニタリングや施工に起因する騒音・振動の抑制に努めること、地域住民への適切な情報提供を行うことが望ましいとした。
ガイドラインは、国交省が所管する事業分野のシールドトンネル工事での適用を想定するが、それ以外のシールドトンネル工事でも参考にしてもらう考え。直轄工事では技術指針に反映するように検討する。
