見たもん勝ち ～建設業応援団～
施工体系図の解釈明確化しデジタルでの掲示も可能に
2022/01/28建設時事
建設メール
国土交通省は、建設業法に基づき工事現場で掲示が求められる施工体系図および標識について、ディスプレイなどの表示機器を用いるデジタルサイネージを活用できるように解釈を明確化した。27日付で地方整備局や都道府県、建設業団体へ取り扱いを定めた通知を出した。
建設業法の規定では、発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、下請契約の請負代金額が4000万円（建築一式工事は6000万円）以上の場合、施工分担関係が一目で分かるように施工体制台帳をもとに施工体系図を作成し、工事現場の見やすい場所に掲げる必要がある。公共工事の場合は、工事関係者に加え公衆が見やすい場所に掲げなければならないとされている。また、許可番号や商号等を記載した標識は、現場ごとに公衆の見やすい場所への掲示が求められる。
施工体系図は、工事期間中の掲示が義務付けられているが、工事が進み下請け業者に変更があった場合は速やかに表示も変更しなければならない。ただし、特に下請け業者が多い場合は、膨大な量の掲示物の印刷や掲示に手間がかかることに加え、掲示場所の確保が困難になるという課題もある。そのため、デジタルサイネージ等のICT機器を活用した掲示でも、一定の要件を満たす場合には書面による掲示と同等の掲示義務を果たすものと認めることを明確にした。
具体的には、▽工事関係者が必要なときに施工体系図を確認できる▽デジタルサイネージ等で施工体系図を確認できる旨の表示が常時分かりやすい形でなされている▽施工の分担関係の簡明な確認が可能な画面サイズ、輝度、文字サイズ、デザイン▽スライドショー方式を使用する場合には施工体系図の全体確認に長時間を要しない―ことを要件とする。公共工事の場合は、施工時間外を含めて公衆が施工体系図を確認できるようにする。
既に一部の現場では、施工体系図のほか、工事概要、工法、完成予想CG、週間予定などを紹介するタッチパネル式ディスプレイをリースにより試行的に導入し、工事に対する理解浸透やイメージアップに努めている例もある。
なお、建設リサイクル法に基づく解体工事や、浄化槽法に基づく浄化槽工事の現場ごとに掲示が求められる登録番号等の標識も同様の扱いとなる。
