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総合評価方式「施工能力評価型」分析で8類型の有効性を確認
2022/02/03建設時事
建設メール
国土交通省は、直轄工事の総合評価落札方式のうち、施工能力評価型（Ⅰ型、Ⅱ型）で実施している多様な評価方法の有効性について試行検証を行っている。検証に当たっては、ある程度実績がある方式を大きく8つに類型化し、主に①試行の目的を果たしているか②品質が確保されているかの観点のほか、受発注者の声をまとめたアンケートと併せて実施結果を分析。各試行では、おおむね目的に沿う結果が得られ、工事品質も確保されるなど有効性が確認された。今後、適用対象や留意点などを整理した上で、標準化・展開を図るため、総合評価のガイドラインへ位置付けることを含めて検討を進めていく。
今回、分析対象とした類型は、▽チャレンジ型（試行件数1346件）▽自治体実績評価型（同3408件）▽地域防災担い手確保型（同415件）▽企業能力評価型（同410件）▽地元企業活用審査型（同285件）▽特定専門工事審査型（同15件）▽登録基幹技能者評価型（同4520件）▽若手・女性技術者等活用型（同2007件）―の8つ。「特定専門工事審査型」は、有効性等の判断には試行数が少なかったため、引き続き試行を行いながら評価方法を検証する。
試行結果の整理・検証のうち「チャレンジ型」では、入札参加者の約17％、落札者の約12％が新規参入で、2019年度までの新規参入者の約半数が20年度に継続受注した。「自治体実績評価型」に関しては、落札者の約12％が新規参入で、4割強は継続受注を実現している。いずれも、受発注者ともに実績を持たない企業の受注機会確保には前向きで、技術者育成につながるという意見も出ている。
不調不落の防止や発注事務負担軽減を目指す「企業能力評価型」は、試行工事と全工事の競争参加者数が同等程度で、試行工事は標準の施工能力評価型に比べて19年度・20年度ともに不調不落発生率が低下した。手続き期間は10日程度短縮されている。
「地元企業活用審査型」では、地元企業を活用した企業の落札者の割合は活用しない企業の2倍となっており、受発注者ともに地元企業育成や地域経済活性化の観点から高く評価している。
「若手・女性技術者等活用型」の試行結果では、直轄工事にて主任技術者または監理技術者として登用された若手・女性技術者の約36％が翌年度も配置され、担当技術者または現場代理人として配置された若手・女性技術者の約15％が翌年度も配置されるなど、知識や技術習得の場として活用されつつある。
