見たもん勝ち ～建設業応援団～
電子成果品のデータマネジメントで設計履歴や関連情報を地図上に管理
2022/02/17建設時事
建設メール
国土交通省は、3次元データを含めた電子成果品の的確な管理に向け、データマネジメントの取り組みを進める。事業監理を実施する中で、過去のやりとり、検討状況を把握できるよう設計履歴や関連する電子成果品が参照可能な仕組みを構築することで、発注者・受注者相互の情報共有を図り、成果を検索する時間の短縮や設計の手戻り防止につなげる考え。設計中、施工中に更新されるデータを、GISの地図上から職員や業務・工事受注者が情報を参照できるシステムをイメージしており、2022年度に機能要件を検討し、システム構築に入る。試行結果を踏まえて必要な改良・調整を図り、23年度以降の本運用を目指す。
また、国交省が発注する業務・工事の3次元データを一元管理する「DXデータセンター」を活用したデータ監理も構築する考えで、まずは簡易版として、成果品の中から必要なデータをDXデータセンターの作業領域に保存し、任意に設定する工区ごとに検討状況を整理、データを参照可能にする。構造物や対象案件ごとの状況を一元化して取りまとめる「検討状況管理台帳（仮称）」を用意し、エクセル表で工区やエリア別に設計、申し送り、関係機関協議などの監理項目を設定し、完成・未完成を整理するほか、位置情報や時系列も分かるよう行・列の追加を可能にする。将来的には、同台帳の更新は職員もしくは事業促進PPP等の委託業者を活用して随時実施する。設計、施工のデータを台帳にひも付けすることにより、設計施工を関連付け、それが保存されていくことで維持管理段階でも活用することを視野に入れる。
22年度には新たな納品ルールの検討を進める。電子納品要領について、構造物ごと、設計項目ごとの位置情報付与を義務化し、後工程に引き継ぐことを明確化するとともに、設計時の条件設定や後工程への申し送り事項など成果に格納するルールも併せて検討する。公開・非公開データを保管管理システム登録時にフォルダを指定して自動付与することも想定しており、23年度以降に要領を改正する見通しだ。
