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【単品スライド条項】 購入価格が高くても可／直轄工事でルール改定
2022/06/17建設時事
建設メール
国土交通省は、直轄工事における単品スライド条項を一部改定した。資材価格等が高騰する中、鋼材類、燃料といった工事材料価格の急激な変動に対応し、適正な価格転嫁が進むよう業界などから寄せられた課題・要望を踏まえて必要な見直しを図った。従来は受注者が提出する資材の「実際の購入価格」と「購入した月の物価本の単価」を比較して、安い方の単価をスライド価格として精算変更している。今回の改定では、購入価格が適当であることが分かる証明書類を提出した場合は、実際の購入価格の方が高くてもスライド額として算定することを可能にした。証明書類は、例えば3者見積もりを行った場合などが想定される。
また、鋼橋上部について、実際の購入価格の証明書類提出が難しい場合には、購入価格が分からなくても購入時期が証明できれば、購入月の物価資料（実勢価格）のみでスライド額を算定できるようにする。
さらに、年度ごとに完済部分検査を行う複数年にまたがる維持工事の場合は各年度末に単品スライド条項の適用を認める。
単品スライド条項に関しては、物価資料に物価高騰が反映されるまでにタイムラグがあるといった指摘があるものの、スライド額に実際の購入金額を反映させるのは難しいことが課題だった。鋼橋上部工事等では、資材調達の際に購入価格等を漏えいしない旨が契約で規定されており、購入価格が出せないとの問題提起があった。維持工事に関しては、年度ごとに完済部分検査を行う場合、完済部分検査前の原材料の単価を精算できないため、単品スライドを工期末の1回だけではなく、複数回の適用を求める要望が出ていた。
なお、今回の改定内容は17日付で地方整備局等へ通知するとともに、地方自治体にも参考送付を行う。
