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【建設業法】 追加費用の適切な協議を／法令順守ガイドライン改訂
2022/08/09建設時事
建設メール
国土交通省は、どのような行為が建設業法に違反するかを具体的に示す法令順守のガイドラインを改訂し、建設業関係団体等へ通知した。主な改訂では、原材料費等の高騰・納期遅延といった状況における適正な請負代金の設定および適正な工期の確保の項目を新たに設けている。建設業法上違反となる恐れがある行為事例として、原材料費、労務費、エネルギーコスト等の高騰や資材不足など元請け・下請け双方に責任がない理由で、施工に必要な費用の上昇、納期の遅延、工事全体の一時中止、前工程の遅れなどが発生しているにもかかわらず追加費用の負担や工期に関して元請け・下請けからの協議に応じず、必要な変更契約を行わなかった場合を挙げた。
原材料費等の高騰や納期遅延が発生している状況では、取引価格を反映した適正な請負代金の設定や納期の実態を踏まえた適正な工期の確保のため、請負代金および工期の変更に関する規定を適切に設定・運用することが必要と説明。中小企業庁が7月下旬に改正した下請中小企業振興法に基づく振興基準の中で、期間が長期にわたる取引においては、期中に原材料費等のコストが上昇した場合で「下請事業者からの申し出があったときは、親事業者は期中の価格変更にできる限り柔軟に応じるものとする」とされていることへの留意を求めている。
また、元請けが下請けとの協議や変更契約に応じない場合は「不当に低い請負代金の禁止」や「著しく短い工期の禁止」に違反する恐れがあることも追加。建設業法第19条の3（不当に低い請負代金の禁止）により禁止される行為は、契約締結後に原材料費等が高騰したにもかかわらず、それに見合った下請代金の増額を行わないことも含まれることを明確にした。
赤伝処理の関係では、建設副産物（建設発生土等の再生資源および産業廃棄物）の運搬や処理に要する費用、建設キャリアアップシステムに係るカードリーダー設置費用および現場利用料等を下請代金から差し引く場合も建設業法上違反となる恐れがある行為とした。
他にも長期手形に関して、約束手形をできる限り利用しないよう努めることなどの留意事項を追記している。
なお、国交省では発注者・受注者間における法令順守のガイドラインについても必要な見直しを図り、公共・民間発注者を含めた関係者へ通知を行った。
