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【監理技術者制度】 途中交代の条件合理化／マニュアル改正で1月から
2022/12/23建設時事
建設メール
国土交通省は、建設工事の適正な施工を確保するため「監理技術者制度運用マニュアル」を改正し、関係部局や建設業団体などへ通知した。特定建設業の許可が必要な下請代金の額を含め、近年の工事費上昇を踏まえて金額要件を見直した建設業法施行令の一部改正が2023年1月1日から施行されることに加えて、第2期の技術者制度検討会がまとめた「技術者制度の見直し方針」の内容を踏まえ、マニュアルを改正している。同一の監理技術者や主任技術者が管理できる「同一工事」と見なせる範囲や技術者の途中交代に関する運用の合理化を図っており、23年1月1日から適用を開始する。
同一工事と見なせる範囲の合理化では、「随意契約」の場合でなくても、同一の建築物または連続する工作物に関する工事において、全ての発注者から同一工事として取り扱うことについて書面で承諾を得た場合は、同一の監理技術者等による管理を認めることにした。
技術者の途中交代の条件は、合理的な範囲で柔軟な交代を可能にする。工事請負契約において監理技術者等の途中交代を行うことができる条件を書面その他の方法で発注者と合意がなされている場合は、途中交代ができるように緩和する。ただし公共工事では、入札の公平性の観点から交代が認められる条件は入札前に明示された範囲とし、同等以上の技術力を有する技術者であることを条件とする。
金額要件の見直しは、11月に公布された政令改正後の金額要件に修正。特定建設業の許可・監理技術者の配置・施工体制台帳の作成を要する下請代金額の下限は土木一式工事が4500万円、建築一式工事は7000万円に引き上げる。主任技術者および監理技術者の専任を要する請負代金額の下限は、土木一式工事が4000万円、建築一式工事は8000万円に変更する。
他にも営業所における専任の技術者、監理技術者等が職務に従事するに当たり、テレワークの扱いを明記。さらに、施工体系図や標識の掲示に関して一定の要件を満たす場合、デジタルサイネージといったICT機器の活用が可能であることを加えた。
同マニュアルは、監理技術者制度を的確に運用するため、行政担当部局が指導を行う際の指針になるとともに、建設業者が業務を遂行する際の参考となるもの。
