見たもん勝ち ～建設業応援団～
【維持管理の今後】 複数年度契約拡大など／改善に向け取り組む
2023/01/16建設時事
建設メール
 |
|
維持管理部会で議論を深めた
|
国土交通省は維持管理における建設生産・管理システムの循環改善に向けて、複数年度契約の拡大やフレームワーク方式の活用拡大などを進めたい考えを示した。1社応札などの課題への対応、8類型の入札契約方式の試行など。今後も発注する工事に適した発注方法の試行・検討を進める。16日に開かれた、今後の建設生産・管理システムに関する懇談会の維持管理部会（部会長=堀田昌英・東京大学大学院工学系研究科教授）で議論した。
維持、修繕、災害復旧などを対象とする維持管理において課題となっているのは、1社応札であったり受注者が限られているという部分にある。そのため、維持工事（通年）のうち約7割の工事について2カ年、3カ年の複数年契約で発注、安定的な作業を促している。また1社応札が多い一方、不調・不落は少ない特徴もある。修繕工事は維持工事よりも1社応札が少ない一方、不調・不落が多い。
維持管理においては、長期性能保証、修繕ECI、フレームワーク方式など8類型の入札契約方式を試行。また、以前に比べ維持修繕工事を含め指名競争入札の適用が増加傾向にある。
このため、維持工事は企業が若手の確保や資機材保有、新技術活用など中長期的な投資ができる契約期間の長期化を図る方向。さらに、規模が小さくても地域精通度が高い企業間の連携などが必要と考えを示す。修繕工事の場合、不調不落対策としての効果が高いフレームワーク方式などの取り組み拡大が必要とみている。
将来に向けて、維持修繕工事の特異性を踏まえた対応が求められるとして、契約の長期化を指向した複数年度計画の拡大、工事特性に応じた指名競争入札（フレームワーク）などの活用拡大を掲げる。受注体制についてはフレームワーク、事業協同組合・地域維持JVなど企業グループの拡大。複数年度契約の拡大により企業の中長期的な投資ができる方式を検討し、品質の確保や担い手確保、生産性の向上に対応していきたい考え。また、フレームワーク方式など不調不落が少ない方式の拡大・改善を図る方向を示している。
