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【独禁法違反】 優越的地位の濫用に関し／発注者、業界などへ通知
2023/03/08建設時事
建設メール
国土交通省は8日、民間の主要な発注団体、建設業界団体、地方公共団体に向けて「労務費、原材料費、エネルギーコスト等の取引価格を反映した適正な請負代金の設定等について」を通知した。公正取引委員会が昨年末に公表した独占禁止法上の優越的地位の濫用に関する緊急調査結果を受けての対応。発注者や元請け企業が、積極的に受注者や下請け企業との協議の場を設けることが適切であるとしている。適切な対応がなければ、優越的地位の濫用の要件の一つに該当するおそれがある。
優越的地位の濫用の要件に該当するおそれがあるのは①コストの上昇分の取引価格への反映の必要性について、価格交渉の場において明示的に協議することなく従来どおりに据え置くこと②コストが上昇したため取引の相手が価格の引き上げを求めたが、理由を書面、電子メールなどで回答することなく据え置くこと―とされる。
多くの場合、発注者の方が取引上の立場が強く、言いだしにくい状況から、積極的に発注者から協議の場を設けることが有効かつ適切としている。同調査では、受注者から申し入れがない、見積りの有効期間内だからなど取引価格が据え置かれたケースが多数みられたという。なお、受注者側から価格引き上げの要請があっても受け入れない場合は、理由を書面など形に残る方法で伝えることが適切とした。
公正取引委員会の緊急調査結果からは、総合工事業のサプライチェーンにおいて受注者からの価格転嫁の要請が滞っている可能性が指摘されている。サプライチェーンに含まれるのは、主な発注者として総合工事業、地方公務、不動産取引業、不動産賃貸業・管理業。受注者・発注者としての総合工事業。主な受注者となる窯業・土石製品製造業、総合工事業、道路貨物運送業があがっている。
