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【総合評価】 新たな改善を検討／ECI方式拡大も
2023/03/28建設時事
建設メール
国土交通省は総合評価落札方式の本来の目的となっているVFM（Value for Money）の考え方と乖離している現状から、新たな改善方策を検討する。技術提案評価S型では技術提案による加算点に差がつく方式の検討、また同A型と実施件数が増加している技術提案・交渉方式（ECI方式）の活用拡大とともに使い分けの検討が必要とみている。
総合評価は、調査基準価格の導入によりダンピングが生じにくく、工事成績評定点も高止まりしており粗悪工事の傾向は見られない。一方で、技術点と入札価格の関係をみると、施工能力評価型、技術提案S型は技術点の最高得点者が最低価格で落札しているケースが多数。S型（WTO案件）では、最高評価者が最低価格者と別になる傾向がある。技術提案や施工計画内容を積算した結果としての入札価格ではなく、入札価格設定用の積算作業となっている可能性が出ている。
今後の検討の方向性として、技術提案評価S型については技術提案評価型のS型は、高い技術力を持つ企業・提案を適切に評価するため、標準点と技術評価点の分析や技術提案テーマの実施状況を把握、設定テーマへのフィードバック方策を検討する。
技術評価点の構成が、加算点40～70点（方式で異なる）に対し、標準点100点、施工体制評価点30点となっていることから得点差が希釈されているとも捉えられる。一方、標準点を引き下げると新規参入障壁、受注者の固定化につながる懸念もあることから、関連事例の分析から進める。
受注者、発注者ともに負担が大きいA型については、ECI方式の活用拡大を検討する。同方式はこれまでに設計中、施工中も含め全国で32件の工事に適用している。A型の発注で生じたリスクも、同方式であれば回避する方策も得られたとの想定もある。
