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【建専連調査】 技能労働者の給与水準／CCUS登録で上昇
2023/05/25業界動向
建設メール
建設産業専門団体連合会（建専連）は、2022年度に会員企業等を対象に行った「働き方改革における週休2日制、専門工事業の適正な評価に関する調査結果」を公表した。技能労働者の処遇について、平均給与額は登録基幹技能者が41万853円（前年度調査39万9486円）、職長が36万7857円（同38万812円）、日本人技能労働者は30万9375円（同32万7109円）で、登録期間技能者を除き減少傾向が広がっている。ただし、建設キャリアアップシステム（CCUS）の登録を「完了（申請中含む）」している企業、入退場管理に積極的に活用している企業では、していない企業に比べて給与が高い傾向にある。
給与の支払い形態に関しては、「月給（固定給）」制が年々増えているが、一方で「日給月給」制が5割前後を占める状況は変わっていない。
休日に関しては昨年同様、2割を超える企業が就業規則で「4週8休以上」を規定しているものの、実現できているのは全体の約1割にとどまり、「4週6休程度」が最も多い傾向も続いている。平均年間休日数は「99・1日」で、全産業平均の107・0日に比べて1割ほど少なかった。ただ、就業規則で4週8休以上を規定する企業は全体の4分の1まで増えてきている。
週休2日制の課題としては、7割近くが「適正工期の確保」を挙げた。週休2日制を導入した場合、「工期が間に合わなくなる」と考える企業が多い状況がうかがえる。主な意見は「労務単価、賃金アップが優先されるべき」「元請けが徹底しない限り休めない。業界全体としても取り組むべき」「適切な工期の設定や工期の平準化が必要」とするものが多かった。
新たな設問となった時間外労働の上限規制については、4割以上の企業が内容まで理解できていないとの結果になった。規制の順守に向けては「かなりの努力が必要だが可能だと思う」「順守するのは困難だと思う」を合わせると7割近くなり、多くの企業が順守には相当の努力や困難が伴うと認識していることが分かった。
また、インボイス制度についても新たな設問で、課税事業者のうち取引先に免税事業者がいる割合は半数以上にのぼる。免税事業者（一人親方を除く）との今後の取引方針について、課税事業者に転換してもらい取引を続けるが4割以上、免税事業者のまま取引するが2割弱、分からないが4割以上で対応に苦慮する企業も多い。
CCUSの登録は、事業者で約9割が、技能者で約7割が「登録完了」と回答。いずれも昨年より1割程度増えた。ただし、現場のカードリーダー設置率は「0％」と「20％未満」の回答が改善したとはいえ合計で6割以上を占め、現場の入退場システムとしての活用度がなお低いことが分かった。
同調査は昨年の10月から11月にかけて実施しており、有効回答数は827件だった。
