見たもん勝ち ～建設業応援団～
〈日々の栞〉 泥棒も逃げる？
2023/06/05コラム
日々の栞
▼入ってすぐに圧倒される。毎度のことだ。「いらっしゃいませ」「ご苦労さまです」「ありがとうございました」。すべての言葉に「！」マークが付く勢い。分かっていても驚き、そして気持ちがいい。山梨県笛吹市の総合建設業者。広告の営業で時々おじゃまするが、いつも感心させられる
▼入り口付近にいる事務員さんはもちろん、少し奥に陣取る管理職の方々も率先して大きな声を出している。そう言うと「あいさつなら、うちだってしてる」という声が聞こえてきそうだが、行ってみれば分かる。さまざまな業者を訪ねるが、毎回このレベルで声がけするところは少ない
▼社風といってしまえば、それまで。ただこうしたことは一朝一夕で成ることではない。日ごろから社員全員で心掛け、実行している証しだろう。建設業も他の職種同様、機械化の流れが進む。しかし建設業は特に今後も人と人との共同作業がなくなることはない
▼本紙では毎年、現場の優れた安全対策を取り上げる特集を掲載している。国交省に選ばれた現場について、安全管理者の話を聞いている。これまで数多くの現場を取材したが、管理者の多くが口にするのが「職人さんとの円滑なコミュニケーションこそが安全につながる」ということ。どんな安全対策もへそを曲げて実践してくれなければ意味がないという
▼弊社はというと地域によって、まちまちか…。ボソボソとあいさつする者もおり、決して活気があるとは言えまい。せめて自らはしっかりあいさつ、あいさつ。目に見えない言葉の力。信じる企業とそうでない企業とでは、行く末が違ってくるかもしれない。（山梨・OS）
