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【空港技術基本計画】 早急対処の方針出る／生産性と脱炭素、データ連携
2023/06/07建設時事
建設メール
国土交通省航空局はおおむね10年間を計画期間とする空港技術基本計画の策定に向け、骨子案を固めるとともに、人手不足に対応する生産性向上、脱炭素、データ連携といった早急に対処すべき新たな課題への対応方針案を明らかにした。8月ごろに示される基本計画案に反映させる。当面の対応方針に位置付けられた内容は2024年度からの取り組みとなるが、これまで取り組んでいる事業もあるため遅滞なく進める考え。
6日に開かれた空港技術懇話会で骨子案や早急に対処する方針案の説明があった。骨子案は前回の議論を反映させて空港内作業での事故予防の観点や、空港周辺の環境と調和するための技術、DX関係では技術開発と実装を促進する環境整備としてスタートアップ支援や運用変更などソフト対策、技術力の習得・伝承のための取り組み強化を加えた。技術の習得などに関しては、技術面で資格取得や新しい技術を紹介する場を設けるなどの方策につながることも考えられる。今回の議論を反映させた計画案を8月の懇話会で検討する。
早急に対処すべき課題への対応は、空港業務の生産性向上、航空脱炭素化の推進、各取り組みのさらなる推進に向けた基盤整備の3本柱で進める。
生産性向上ではグランドハンドリング（グラハン）業務の効率化として、グラハン車両の省力化・自動化などに取り組む。警備・保安検査業務の効率化として場周警備の省力化のほか、建設・維持管理業務等の効率化へ▽除雪車両の省力化・自動化▽自動化草刈機のさらなる技術開発―などを掲げた。グラハン車両、警備車両、除雪車両の自動化、自動運転に向け、土木・建築分野のBIM／CIMの活用推進からデータ活用等に取り組むことになる。
脱炭素化は、空港として太陽光発電など再生エネルギー設備、EV／FCVなど省エネ設備の開発・導入促進などを図る。また、エネルギーマネジメントの取り組みには空港内のエネルギーデータの一元管理が必要になる。
取り組み推進の基盤整備は共通データ基盤の検討を進める。生産性向上や脱炭素などの取り組みなど推進には各種情報のデジタル化が必要で、一元管理するシステムが求められる。対象となってくるのはBIM／CIMなどの施設形状データ、車両走行データ、そのほかの空港施設の形状や運用に関するデータなど。また、航空機の運航と関わる部分も多いため、運航状況を把握するため管制情報処理システムなどとの連携を検討する。
