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【国土交通省幹部インタビュー】 経験生かし各国支援／上原淳国土交通審議官
2023/10/20インタビュー
建設メール
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上原国土交通審議官
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7月に就任した国土交通省の上原淳国土交通審議官は、国際関係を主に担当。本年はアセアンとの友好協力50年の節目の年で「アセアンは非常に経済成長が著しく、日本の協力の仕方も変わっていくと思う。現地進出の日本企業、本社の担当者の声を聞き、相談していきたい」と語る。また、これまで各国で培った経験は「これから成長していく国、グローバルサウスの国々にも生かしていける」と国に応じた協力のあり方を考えている。
インフラシステムの積極的な海外展開へ「国交省行動計画を踏まえ、官民一体で質の高いインフラシステムの展開を図る」。具体的には、整備から維持管理・運営事業など継続的関与で相手国と密接な関係を構築。技術と意欲のあるスタートアップ、中堅・中小企業や地方企業の案件を形成支援する。国際標準化を推進し、日本企業が受注しやすい環境を整備。デジタル・脱炭素技術の活用が重点分野だと語る。
効果的に進めるため、重視すべきアプローチは「固有の技術ノウハウを有する独立行政法人等の活用・連携強化。海外展開に関する人材の育成、採用や案件受注後に発生する課題解決支援の強化。他省庁や関係政府機関、民間事業者と連携を強化して取り組む」とした。
建設・不動産業が持続的な成長を続けていくため「海外での受注拡大を強力に後押しすることは、政府の非常に重要な課題」と語り「中国、韓国、欧州企業の存在感も増している。これらの強豪国に劣後しないよう、多様な資金源による案件の受注拡大、多様な地域への進出、PPP事業や運営修繕の多様な案件の形成､中堅･中小企業による進出を推進する必要がある｣。その方策として「ビジネス環境の整備とビジネス機会の創出に取り組む」。円借款を活用する場合は当然だが「それ以外の場合でも相手国政府に対して制度的なバリアについては解除を求める努力が必要」と実感する。
日本の建設・不動産関連企業は「優れた設計施工能力を背景とした質の高いインフラシステムを支える技術ノウハウ」が強み。その質の高いインフラシステムは使いやすく、長寿命で初期投資から維持管理までを含めたライフサイクルコストが低廉。さらに、将来的に現地人材による運営を念頭に、技術移転や現地人材、企業育成制度の構築支援などが行われ「投資を上回るリターンを発揮させることができる」と捉えている。
趣味は落語で、好きな演目は「愛宕山」。春の穏やかな情景と最後の落ちが良い。3代目桂小文枝（5代目桂文枝）の愛宕山が好き。
【略歴】うえはら・あつし
1987年東大経済学部卒、運輸省採用。国交省自動車交通局貨物課長、大臣官房参事官（近畿圏・中部圏空港担当）、総合政策局公共交通政策部交通計画課長、観光庁総務課長、大臣官房総務課長、海上保安庁次長、鉄道局長を経て7月から現職。1964年6月19日生まれ。兵庫県出身。
