見たもん勝ち ～建設業応援団～
【日建連】 資機材高騰の影響強く／22年度の生産性向上報告
2023/10/24業界動向
建設メール
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22年度生産性の推移
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日本建設業連合会（日建連、宮本洋一会長）の生産性向上推進本部は、「生産性向上推進要綱2022年度フォローアップ報告書」を公表した。生産性について、22年度は前年度比で土木事業は2・1％向上、建築事業で2・9％低下、平均で1・2％低下している。利益を控除した平均はほぼ横ばいとなった。資機材高騰の価格転嫁が土木事業で進む一方、建築事業は価格転嫁が進まず利益の圧迫が続いていることが土木事業と建築事業で差がでた原因の1つとみられる。
調査は7月3日から27日にかけ、会員企業98社から回答を得たもの。日建連では「25年度までに20年度比で10％の生産性向上」という目標を掲げている。
土木事業においては、「3D測量」「UAV」「ICT建機」「遠隔臨場」などの建設DXによる省人化・省力化技術を導入している会社が多く、24年度労働時間上限規制に対応するべく、多くの会社で生産性向上に向けた取り組みが進んでいる。「適用可能な大半の現場で実施している」の回答が最も多かったのは、「適切な工期設定と工程管理」であった。
建築事業では、「設計施工一貫方式の受注拡大」と回答した会社が最多。続いて、「BIM」「アウトソーシングサービスの活用」という結果。土木事業・建築事業ともに「その他技能者の生産性向上」が前年度の調査より取り組む企業が増加している。
生産性向上を推進する上での課題については「部材・工法・ソフトウェアなどの企画・基準の標準化・共通化の遅れ」や「協力会社の取り組みの遅れ」などで前年度より改善が目立った、最も多かったのが「ICT技術者等の社内人材不足」。ICT施工などの普及拡大が進む一方で、対応できる人材の育成が追いついていないことが課題となっている。
発注者へ要望したいことでは、「適正工期の確保（発注者都合による着工遅れの改善などを含む）」が建築事業では1位、土木事業でも第2位。土木事業の1位は「現場条件・施工技術を的確に反映した設計」となった。
担い手不足、時間外労働上限規制といった業界を取り巻く諸課題への対応として生産性向上は待ったなし、人材の育成など各種の取り組みの加速が求められる。
