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【政労使意見交換】 月内に指針公表へ／労務費転嫁で価格交渉
2023/11/16建設時事
建設メール
岸田文雄内閣総理大臣は15日、総理官邸で政労使の意見交換を行い、公正取引委員会から労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針の骨子の説明などを受けた。今月下旬には、指針を発注者側・受注者側に公表し、違反行為は独占禁止法に抵触するおそれがあることを示す。全国的に周知徹底を図り、中小・小規模企業の賃上げを全力で支援する。経済界に対して、今年の水準を上回る賃上げの協力を求めた。
賃金の引上げには、労働者の7割を占める中小企業が賃上げ原資を確保できる取り引き環境が重要で、価格転嫁率が低い労務費を転嫁できるかがカギとなる。指針は労務費の転嫁に関する価格交渉について、発注者と受注者それぞれが採るべき行動や求められる行動をまとめる。
行動の例として発注者側は、労務費の転嫁を受け容れる取り組み方針を「経営トップまで上げて決定」する。経営トップが方針を「社内外に示す」とともに、「定期的に取り組み状況を経営トップに報告」する。受注者から求められていなくても、1年や半年に1回など「定期的に労務費の転嫁について発注者から協議の場を設ける」。根拠資料の提出を受注者に求める場合は、「公表資料（最低賃金の上昇率、春季労使交渉の妥結額やその上昇率など）に基づくもの」とし、「受注者が公表資料を用いて提示して希望する価格については尊重する」こと。サプライチェーン全体での適切な価格転嫁のため、「受注者がその先の取引先との取引価格を適正化すべき立場にいることを常に意識」して、そのことを受注者からの「要請額の妥当性の判断に反映させる」こと。
受注者側は、労務費転嫁の交渉の仕方について、「相談窓口に相談するなどして積極的に情報を収集して交渉に臨む」こと。根拠資料としては、「最低賃金の上昇率、春季労使交渉の妥結額やその上昇率などの公表資料」を用いるとしている。
