見たもん勝ち ～建設業応援団～
【働き方改革】 モデル事業で経費支援／年度内に対象工事募集
2023/11/20建設時事
建設メール
国土交通省は、2023年度補正予算案に働き方改革の実現へ向け、効率的な建設工事の促進事業として2億1000万円を計上した。建設現場での時間外労働上限規制が2024年4月から適用されるため、効率的施工促進へ経費を支援するモデル事業の実施、普及啓発に関する事業を展開する。モデル事業の募集を年度末までに行う想定でおり、1件辺りの事業費配分にもよるが少なくとも20件以上は実施したい考え。公共・民間とも対象になる。
これまで、時間外労働の上限規制適用に向けて、適正な工期設定へさまざまな取り組みを実施してきた。中央建設業審議会で週休2日等に配慮した「工期に関する規準」を作成・勧告。直轄工事では週休2日を原則化し、地方公共団体、民間発注者に対しても取り組むよう働きかけている。
モデル事業については、現場に多種多様な下請企業含め多数の関係者がおり、工程管理がうまくなされていない工事、元請けの事情などにより下請の実労働時間が減少している工事など「具体の工事」が対象。実践的に課題解決策の検討・調整を行うものを想定しており、アドバイザー派遣費用や、試行的な取り組みのかかり増し経費などに充ててもらう。例えば、アドバイザー派遣なら内装や電設、空調など前工程の遅れでしわ寄せがあるなどといったものが調整対象に上がってくる。
建設工事の業種別に、さらなる取り組みが必要な主要課題を固め、それに関係する工事を募集する。具体的時期は決定していないが、年度内に募集し、選定は年度明けとなりそう。選定された工事に課題解決へ向けた経費を支援する。
モデル数は少なくとも20件程度は実施したい意向で、必要となる経費にもよるため、応募状況などを加味して予算の範囲内でできる限り取り組む。
モデル事業の実施で得られた成果は事例集という形でまとめ、説明会なども行い、横展開、業界全体に一般化し、普及を図る。事例集は24年度末ごろになる見通し。
